COLUMNコラム

脳梗塞後遺症!!高次脳機能障害とは?

その他

はじめに

皆さん、こんにちは。リハビリスタジオ群馬の吉田です。今回は、高次脳機能障害について説明していきたいと思います。
脳梗塞後遺症には、麻痺以外にも高次脳機能障害で、日常生活に支障をきたすことがあります。高次脳機能障害とは、脳血管障害や事故などによる脳外傷、低酸素脳症などにより、脳にダメージを受け、認知機能の障害をきたすことを言います。また、高次脳機能障害は中途障害となるため、いままでできていたことが、いきなりできなくなったりします。
症状が強い、弱いによって日常生活への影響は変わってきますが、今回は代表的な症状を紹介していきます。最後まで、読んでいただき理解を深めていただければと思います。

代表的な症状

高次脳機能障害で代表的な症状はいくつかあり、それぞれ違った症状になります。
注意障害、半側空間無視、失語症、失行症、遂行機能障害、失認などあります。その他にも、症状はありますが今回は代表して、この6つについて説明していきたいと思います。

注意障害

注意障害とは、必要な情報に対して正しく注意を向けることができない障害を言います。また、注意障害には種類があり、大きく分けて4つに分かれます。
➀選択性注意・・・・多くの情報から、必要な情報を選択することを言います。
➁持続性注意・・・・注意力を一つのことに対して持続することを言います。
➂転導性注意・・・・一つのことに注意を向けているところ、他の注意に対して転換することを言います。
➃分配性注意・・・・同時に何かのことを行うことを言います。
このように、注意障害と言っても種類が分かれており、各々役割が変わってきます。そのため、対応の仕方も変わってきます。
➀選択性注意障害への対応:気が散る原因を取り除くことが大切です。場合によっては仕切りをしたりして、刺激を取り除くことが大切になります。
➁持続性注意障害への対応:こまめに休憩を挟むことが大切になります。
➂転導性注意障害への対応:注意の転換が必要ない環境を作ることが大切になります。
➃分配性注意障害への対応:なるべく一つずつやるようにすることが大切になります。
どの症状なのか理解しておくと、それに対しての対応も可能になります。

半側空間無視

半側空間無視とは、脳損傷側と反対側の空間に与えられた刺激に対して、感覚障害や運動障害では説明できないような反応の低下や欠如を示す現象を言います。簡単に言いますと、脳損傷側と反対側にある物を見落としてしまうことを言います。特に、右半球の損傷で左半側空間無視が起こることが多いです。
よくある現象としては、食事中に左半分の物に手を付けずに残してしまうことがあります。声掛けを行い、注意を左側へ向けることで再度、食べ始める現象が起きます。
経過とともに改善されることもあります。対応としては、左側のものに注意が向きにくいということを自覚し、意識的に左側を見ることを癖づける必要があります。

失語症

失語症とは、「聞く」「話す」「読む」「書く」といった言葉の働きに何らかの不具合が生じることを言います。記憶障害とは違うものになります。失語症には「運動性失語(ブローカー失語)」と「感覚性失語(ウェルニッケ失語)」が存在します。
運動性失語:この場の理解はできるものの、自分が話す時にうまく言葉が出ない失語症を言います。単語や短い言葉なら話すことは可能となります。
感覚性失語:相手の話している言葉がうまく理解できない失語症を言います。自分で話す言葉は流暢ではあるが、
      話しがかみ合わなかったりすることがあります。話すことは可能だが、字を書く能力の低下を認めます。

失行症

失行症とは、身体的問題はなく記憶にも問題がないのに、簡単な一連の動作が出来なくなることを言います。失行症には「観念運動失行」と「観念失行」が存在します。

観念運動失行:自発的な運動であれば可能であるが、口頭指示・模倣による習慣的な運動や簡単な動作(身振りなど)が再現できないことを言います。
観念失行:物や用途は説明が出来るのに、一連の動作を順序正しく行えないことを言います。
     例)歯ブラシを見て、「歯を磨くものです」と答えられるが、使ってもらうと違う動作をしてしまうこと。

遂行機能障害

遂行機能障害とは、「目標を設定し、そのプロセスを計画、効果的に行動していく事が出来なくなる」ことを言います。家事の段取りが分からなかったり、仕事を途中で投げ出したりしてしまうことがあります。また、1つの行動なら出来ても、2つ以上の行動になると同時にはできないということもあります。対応としては、計画を一緒に考えてあげたり、マニュアルを作成したりと、手順を示してあげることが大切になります。

失認

失認とは、感覚機能には問題がないが、音や物という対象を判断できないことを言います。失認には「視覚失認」「聴覚失認」「相貌失認」が存在します。
視覚失認:目の前にある対象物が何であるかわからない。しかし、触ったり、聞いたりすることで何かわかる失認を言います。
聴覚失認:環境音や親しい人の声では何かわからない。しかし、触ったり見ることで何かわかる失認を言います。
相貌失認:身近な人や有名人などを見ても誰だがわからない。しかし、声を聴くと誰だかわかる失認を言います。

まとめ

脳梗塞後遺症には、麻痺以外にも高次脳機能障害をきたすこともあります。その高次脳機能障害は、それぞれ症状はちがく、日常生活に支障をきたすこともあります。それぞれの症状をしっかり理解することで、日常生活でどのような工夫が必要になるかがわかってくると思います。
リハビリスタジオ群馬では、麻痺の改善に良いとされている治療法を用いて、利用者様一人一人のお身体に合った、リハビリの提供をさせて頂いています。その他にも、日常生活で工夫が必要な場面等のアドバイスもさせて頂いています。ご興味ある方は、無料体験も実施していますので、ぜひお問い合わせください。

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吉田 光希

この記事を書いた人

吉田 光希

施設管理者/理学療法士

平成31年に理学療法士国家資格を取得。同年から令和4年3月まで群馬県玉村町にある医療法人樹心会角田病院に勤務し、急性期一般病棟、回復期リハビリテーション病棟を経験しながら、主に脳梗塞・脳出血・脊髄損傷・骨折・呼吸器疾患の患者様のリハビリに携わる。その間に脳卒中患者に対するHALの効果をリハビリ報告として学会で発表。その後も脳卒中後遺症に対するリハビリを中心に学ぶ。令和4年6月からリハビリスタジオ群馬に勤務。

■学会発表歴
令和02年
第28回日本慢性期医療学会 演題名:HALによる歩行訓練により、歩行能力が向上した症例
令和04年
第29回群馬県理学療法士学会 演題名:頚髄損傷患者へ対する歩行神経筋電気刺激療法装置ウォークエイド®を用いた自主練習の効果

■資格
理学療法士免許
登録理学療法士
日本理学療法士協会指定管理者(初級)
Formthotics Authorized Medical Advisor Course

■経験
急性期一般病棟  回復期リハビリテーション病棟