COLUMNコラム

痙縮のメカニズムと治療について

その他

はじめに

皆さんこんにちは。リハビリスタジオ群馬の竹田です。今回は、脳卒中後遺症の痙縮について説明していきたいと思います。脳卒中後遺症の運動障害として麻痺や感覚障害が挙げられますが、痙縮もその一つです。痙縮とは何か?また、治療としてはどのようなものがあるのか説明していきたいと思います。最後まで読んでいただき、理解を深めていただければと思います。

痙縮とは

痙縮は「上位運動ニューロン障害の一部分として、伸張反射の過興奮性の結果生じる、腱反射の亢進を伴った緊張性伸張反射の速度依存性の亢進状態によって特徴づけられた運動障害」と定義されています。運動や動作を阻害し、治療せずにいると関節拘縮などに発展することで、日常生活に支障をきたします。したがって、脳卒中後遺症としての痙縮は重大な治療対象であると考えられています。

痙縮の発生メカニズム

脳卒中発症直後に発生する痙縮の多くは、弛緩性の状態から徐々に発現していきます。これは発症直後と発症後数週間経過後の伸張反射の閾値が関連しているとされています。発症から数週間経過すると伸張反射の閾値が低下することがしられており、筋紡錘から筋までの反射経路の興奮性が増大することから、神経経路の過活動が生じると考えられています。また、脳卒中発症後の不活動は筋骨格系に影響を与えます。不活動により、皮膚、骨格筋などの関節周囲軟部組織の線維化やサルコメアの減少などが生じることで、組織の柔軟性や伸張性が低下します。この筋骨格系の変化も伸張反射の亢進や手足を動かした際の抵抗感に影響する要因となっています。

痙縮の治療

痙縮の治療では、関節可動域の拡大、疼痛軽減、日常生活動作の改善などを目的に複数の治療手段を組み合わせて、実施していきます。痙縮に対するリハビリテーションの方法を4つご紹介します

関節可動域運動

痙縮筋を持続的・間欠的に伸長することにより、痙縮を減弱します。関節可動域運動は筋の短縮や拘縮を予防および改善するため、さらには他の痙縮治療で得られた可動域を維持・改善させるうえで重要となります。

運動療法

痙縮筋の過活動・不活動によって阻害された動作を再学習します。運動療法ではボツリヌス療法をはじめとする痙縮治療後に、実施することで最大限の効果を発揮します。

電気刺激療法

痙縮筋の拮抗筋やその支配神経に対して、体表から電気刺激を与えることで、痙縮を減弱します。電気刺激は随意運動などの運動療法を同時に行うことで効果が高まるとされています。

装具療法

痙縮筋を持続伸長することで痙縮を減弱します。また、固定によって痙縮による動作の阻害を防ぐとともに、動作をアシストします。他の痙縮治療で得られた可動域を維持・改善、動作の再学習を促します。装具は日常生活を通して使用されることが多いため、装具使用の目的と実際の生活や予後を考慮して作成していくことが必要です。

まとめ

今回は、痙縮についてご紹介しました。脳卒中後の痙縮の有病率は4%~40%前後とされています。また発症時期については生活期以降での有病率が高いことがわかっています。リハビリスタジオ群馬では生活期の利用者様のリハビリを提供させていただいています。麻痺している手や足の筋肉が硬くなり、動かしづらくなることはございませんか?当施設では痙縮へのリハビリとして電気刺激や振動刺激などの物理療法を積極的に取り入れています!ご興味のある方は無料体験も実施していますので、ぜひお問い合わせください。

川平法やHAL®を体験してみたい方!
無料体験はコチラ
LINEの友だち登録をしていただくと、お役立ち情報の配信をお知らせします!
LINEの友だち登録はコチラ
また、改善事例や動画もたくさん公開していますのでご覧ください!
改善事例・動画はコチラ!

竹田 圭佑

この記事を書いた人

竹田 圭佑

群馬県玉村町にある医療法人樹心会角田病院、介護老人保健施設たまむらで勤務し、回復期リハビリテーション病棟、障害者一般病棟・外来リハビリ、老健入所リハビリを経験しながら、主に脳梗塞・脳出血・脊髄損傷・骨折・神経難病の患者様のリハビリに携わる。その間に神経領域の学術大会・研修会に参加し、脳卒中後遺症に対するリハビリを中心に学ぶ。令和6年4月からリハビリスタジオ群馬に勤務。