下肢ボツリヌス療法のメリットとリハビリの重要性!!
はじめに
皆さん、こんにちは。リハビリスタジオ群馬の吉田です。今回は下肢のボツリヌス療法について説明していきたいと思います。以前ボツリヌス療法とは!?-痙縮に対する治療法-にてボツリヌス療法についての説明をさせて頂きました。そのため、今回は下肢にピックアップして紹介していきます。脳梗塞後遺症には痙縮と言って、手足が動かしにくくなったり、勝手に動いたりする症状があります。また、この痙縮によって動かない状態が続くと、関節拘縮が生じてしまいます。関節拘縮とは、不動により筋肉や軟部組織が伸び縮みしづらくなり、関節可動域が減少することを言います。この関節拘縮に対して効果があるとされているのが、ボツリヌス療法になります。また近年では、ボツリヌス療法と兼ね合わせて、リハビリや装具といった治療の重要性も言われています。今回は、下肢のボツリヌス療法のポイントやリハビリを併用して行う重要性、下肢装具を使うメリットについて説明していければと思います。ぜひ最後まで読んでいただき、知識を深めていただければと思います。
対象になる主な筋
痙縮の影響による下肢での問題点としては、内反尖足による立脚初期での踵接地不足と鷲爪様趾(claw two)による足趾の痛みが挙げられます。この二つの問題点に対して対象となる筋を紹介していきたいと思います。
内反尖足・・・内反尖足に対しては、腓腹筋外側頭、腓腹筋内側頭、ヒラメ筋、後脛骨筋といった筋が対象となります。
鷲爪様趾・・・鷲爪様趾に対しては、長趾屈筋、長母指屈筋といった筋が対象となります。
下肢に対しての投与量は300単位までとなっています。痙縮の度合いによってどの筋にどのぐらいの量を投与するかは、先生の意見を聞き投与する形となります。また、リハビリを実施している方は、リハビリスタッフにも相談するのも良いでしょう。実際の歩行時や運動時の痙縮の度合いなどのアドバイスをもらえることもあります。
その他にも、歩く際に足が内側に入ってしまう症状に関しては、内転筋群(長内転筋・大内転筋)への投与する場合もあります。また膝が曲がるなどの症状に対してはハムストリングスへの投与も検討することがあります。
下肢へのボツリヌス治療に関しては、抑制しすぎることによる膝折れや、姿勢保持への影響も考えなくてはいけません。痙縮を利用して立位や歩行を行っていることもあるため、慎重に投与を検討することを進めます。
ボツリヌス治療とリハビリ
次に、ボツリヌス治療と併用してリハビリを行う重要性について説明していきたいと思います。
そもそも、ボツリヌス治療は痙縮を軽減させるための物であり、その病気や症状自体を直すものではありません。同じような痙縮であっても、ご利用者様一人一人、生活に与える影響は違ってきます。また痙縮そのものを利用して、動作を行ったり、日常生活を送っていることもあります。そのため、適切なリハビリを行い、痙縮が軽減した動作の再学習が必要になってきます。またボツリヌス治療は単回での施行で終了することは少なく、長期的なフォローアップが必要になります。
このようなことからも、ボツリヌス治療を受ける際は併用して、リハビリを行うことが進められています。
装具の併用
痙縮のリハビリを行う中で、関わってくるのが装具になります。下肢の痙縮に関しましては、主に足関節の短下肢装具が挙げられます。下肢装具は痙縮を治療する上で、理学療法を実施しながら並行して検討するべきであると言われています。下肢装具を使用することで、痙縮の抑制と異常反射の出現の軽減が期待されます。ボツリヌス治療後のリハビリにも下肢装具を組み合わせることがより効果を持続させると言われています。
まとめ
脳梗塞後遺症の痙縮により、下肢には内反尖足や鷲爪様趾といった影響が現れます。痙縮を軽減させる方法として、ボツリヌス療法があります。下肢に関しては、痙縮を利用して立位保持や歩行を行っていることもあるため、慎重に投与を検討することを大事になってきます。
また、ボツリヌス療法と併用してリハビリを行うことが重要と言われています。痙縮が軽減した中で、適切なリハビリを受けることにより、動作の再学習が図れ、長期的な痙縮の軽減につながります。そのリハビリと同時に下肢装具も検討することが重要とされています。ボツリヌス療法と下肢装具を組み合わせることが、より効果を持続させると言われています。
リハビリスタジオ群馬では、脳梗塞後遺症に対してのリハビリとともに、ボツリヌス療法や装具の提案もさせて頂いています。利用者様、一人一人の病態に合わせて、リハビリの提供をさせて頂いています。リハビリにお困りの方は、無料体験も実施していますので、ご気軽にお問い合わせください。
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この記事を書いた人
施設管理者/理学療法士
平成31年に理学療法士国家資格を取得。同年から令和4年3月まで群馬県玉村町にある医療法人樹心会角田病院に勤務し、急性期一般病棟、回復期リハビリテーション病棟を経験しながら、主に脳梗塞・脳出血・脊髄損傷・骨折・呼吸器疾患の患者様のリハビリに携わる。その間に脳卒中患者に対するHALの効果をリハビリ報告として学会で発表。その後も脳卒中後遺症に対するリハビリを中心に学ぶ。令和4年6月からリハビリスタジオ群馬に勤務。
■学会発表歴
令和02年
第28回日本慢性期医療学会 演題名:HALによる歩行訓練により、歩行能力が向上した症例
令和04年
第29回群馬県理学療法士学会 演題名:頚髄損傷患者へ対する歩行神経筋電気刺激療法装置ウォークエイド®を用いた自主練習の効果
■資格
理学療法士免許
登録理学療法士
日本理学療法士協会指定管理者(初級)
Formthotics Authorized Medical Advisor Course
■経験
急性期一般病棟 回復期リハビリテーション病棟