脳梗塞後遺症!!CTとMRI使い分けについて
はじめに
皆さんこんにちは、リハビリスタジオ群馬の吉田です。
今回はCTとMRIの違いについて説明していきたいと思います。脳梗塞・出血を経験した方やご家族が発症してしまった方は、一度は見たことがあると思います。しかし、実際見てもどこに何の異常をきたしているのか、わからないこともあると思います。私自身も最初は「あれ?出血なのか、梗塞なのか?」と分からないこともありました。CTとMRIの違いを理解することにより、梗塞・出血でどちらを診たらよいのかが、少しわかってくると思います。細かく説明してしまうと、すごい量になってしまい、よくわからなくなると思いますので、簡単に説明できればと思います。CT・MRIの違いを、最後まで読んでいただき、理解を深めていただければと思います。
CTとMRIの違い
まずは、検査の方法が違ってきます。CTでは放射線を使用し、MRIでは磁気と電波を使用して検査を行います。そのほかにも検査時間にも大きな差があります。CTは比較的短時間で検査が可能ですが、MRIは検査に時間が掛かります。しかし、お互い得意・不得意があるため、どちらがいいとは言えません。少しでも理解を深めた中で、先生の意見を聞いていただければと思います。
CTの特長
CTの一番の特長は、検査時間が短いことです。情報量としてはMRIよりは少なくなりますが、とにかく短時間で可能となります。CT検査が得意な疾患としては、脳出血やクモ膜下出血といった、出血系の疾患となります。また、硬膜下血種や脳腫瘍、脳膿瘍といった疾患も検出が可能となっています。逆に脳梗塞に関しては、慢性的なものは検出可能だが、急性の梗塞は検出が難しくなっています。
MRIの特長
MRIの一番の特長は、情報量が多いことです。検査時間はCTに比べて時間が掛かります。MRI検査では脳血管疾患に対してはどの疾患も有効ですが、特に脳梗塞に対してCTより優れた情報量が得られます。水分子を画像化するのが原則であり、脳の中の水を黒(低信号)に写すのがT1強調画像と言い、脳の中の水を白(高信号)に写すのがT2強調画像と言います。臨床で見られる、DWI(ディフュージョン)やFLAIR(フレアー)もT2系となっています。
DWI
体中の水素原子は常に不規則に運動しており、それを画像化したのがDWIです。運動が低下した領域を白(高信号)に写すのによく使われ、急性期の脳梗塞などの脳組織の中の水が動けなくなっているのを白く写せる仕組みとなっています。
FLAIR
ある程度動きが制限された水だけ白くなるようにしています。FLAIRでは、経過からのおおよその時間が分かることができます。FLAIR画像では発症から4~5時間経過することで病巣が白に変わります。そのため、DWIで白く映っている病巣でも、FLAIRでは写っていない場合は発症から4~5時間以内であると言えます。なぜこの時間が大事かと言いますと、現在の脳梗塞の治療で有効とされているtPAという薬が、4~5時間の間で良く効くとされているためです。
まとめ
CTとMRIでは、見つけるのに得意な疾患・不得意な疾患とがあります。一般の方は、ざっくりとした違いをわかっていれば、いざ画像を見たときに、出血か梗塞かがわかると思います。医療従事者やもっと詳しく知りたい方は、その他にもどの場所で損傷が起きているか、それによってどのような障害をきたすかも知ることで知識のはばを広げていけると思います。
リハビリスタジオ群馬では主に、脳梗塞・出血後遺症の麻痺に対してリハビリの提供を行っています。無料体験も実施していますので、ご興味ある方はぜひ、お問い合わせください。
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この記事を書いた人
施設管理者/理学療法士
平成31年に理学療法士国家資格を取得。同年から令和4年3月まで群馬県玉村町にある医療法人樹心会角田病院に勤務し、急性期一般病棟、回復期リハビリテーション病棟を経験しながら、主に脳梗塞・脳出血・脊髄損傷・骨折・呼吸器疾患の患者様のリハビリに携わる。その間に脳卒中患者に対するHALの効果をリハビリ報告として学会で発表。その後も脳卒中後遺症に対するリハビリを中心に学ぶ。令和4年6月からリハビリスタジオ群馬に勤務。
■学会発表歴
令和02年
第28回日本慢性期医療学会 演題名:HALによる歩行訓練により、歩行能力が向上した症例
令和04年
第29回群馬県理学療法士学会 演題名:頚髄損傷患者へ対する歩行神経筋電気刺激療法装置ウォークエイド®を用いた自主練習の効果
■資格
理学療法士免許
登録理学療法士
日本理学療法士協会指定管理者(初級)
Formthotics Authorized Medical Advisor Course
■経験
急性期一般病棟 回復期リハビリテーション病棟