COLUMNコラム

脳梗塞・脳出血後遺症の方へ!!!歩行障害のリハビリテーションとは!?

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脳梗塞・脳出血後遺症による歩行障害のリハビリテーションについて、脳卒中治療ガイドライン2015(追補2019)の歩行障害のリハビリテーションの項目に沿って、私なりの解釈をお伝えしていきます。あくまでも個人的な見解になるため、ご了承ください。脳梗塞・脳出血後遺症により歩行が困難になったり、発症前とは歩き方や速度が変わってしまいます。歩行の再獲得、再建に向けていくつか推奨されている方法があるため、ご紹介するとともに方法をご提案できればと思います。
参考・引用元:脳卒中治療ガイドライン2015(追補2019)

1.歩行訓練量の増加
訓練量の増加は歩行以外にも運動麻痺に対するリハビリに必要と言われています。運動麻痺が中等度~重度の方には長下肢装具などを使用し、介助量を減らして歩行訓練量を増やす必要があります。またHAL®などの歩行補助ロボットもアシストにより歩行訓練量の増加が期待できます。

2.内反尖足に対する短下肢装具の使用
内反尖足により麻痺側下肢の足底が接地困難となり、荷重も困難となってしまいます。麻痺側下肢の支持性が低下するとバランス能力の低下や歩容の悪化、歩行速度の低下などの歩行障害が見られます。短下肢装具を使用することで内反尖足が修正され、足底接地が可能となり、麻痺側下肢の支持性の向上につながります。また荷重が可能になることで左右の対称性が改善し、歩容の改善・歩行速度の向上も期待できます。
参考元:下肢装具カタログ

3.痙縮による内反尖足に対するボツリヌス療法
痙縮により下腿三頭筋の筋緊張が亢進し、内反尖足が出現します。上記に述べたように内反尖足により歩行障害が出現します。ボツリヌス療法は筋緊張の亢進を抑制し、内反尖足を軽減・改善を図ることが期待できます。内反尖足が軽減・改善することで歩行時の麻痺側下肢の支持性が向上し、バランスや歩行速度の改善が期待できます。
参考元:【痙縮】患者さん向け小冊子 脳卒中の後遺症

4.筋電や関節角度によるバイオフィードバック
バイオフィードバックとは自分自身では知ることが難しい身体の生理学的変化について、本人に分かる形で情報を知らせることを指します。筋電とは人や動物の体は様々な電気信号を発生しております。 筋肉もまた収縮する際、非常に微弱な電気が発生します。 その微弱な電気信号を筋電と呼びます。電気信号を数値化やグラフ化して視覚的に確認したり、関節角度を数値化や映像化して確認することで歩行の改善が期待できます。

5.慢性期脳卒中者の下垂足に対するFES
下垂足とはつま先が上がらずに足を持ち上げた際に垂れ下がっている状態です。またFESとは機能的電気刺激と言われ、運動に合わせて電気刺激を行い、目的の運動を促通する電気刺激となっています。下垂足の場合、つま先が上がらずに躓いたり、足を引き摺るような歩容の悪化や歩行障害が出現します。FESを実施することで歩行時のつま先を上げることが可能となり、躓きの改善により歩行の改善が期待できます。歩行に対するFESとしてはウォークエイドが挙げられます。
参考元:帝人ファーマ株式会社 医療関係者向けサイト

6.歩行可能な脳卒中者へのトレッドミル訓練
トレッドミル訓練とはランニングマシン上で歩行練習を行うことです。歩行速度を変化させることができ、ハーネスなどの安全装置を使用することで、転倒予防と普段よりも早い速度や長い距離での歩行練習が可能となります。トレッドミル訓練を行うことで歩行速度の改善が期待できます。
参考元:HAL®周辺機器

7.発症3か月以内の歩行不能例への歩行補助ロボット
歩行補助ロボットとはHAL®など様々なロボットがありますが、何かしらの動力により歩行をアシストし、歩行を可能にするロボットのことをいいます。発症3か月以内の歩行不能例に使用することで歩行自立度は向上したとのことですが、歩行速度・歩行距離に有意な変化ないとのことです。個人的な経験としてはHAL®は発症3か月以降や慢性期症例に対しても歩行速度の改善が見られた症例もいるため、実施する価値はあると考えます。
参考元:CYBERDYNEホームページ

当施設の改善事例・動画
こちらからご覧ください!!!⇒改善事例動画

まとめ
歩行障害のリハビリテーションについて脳卒中治療ガイドライン2015(追補2019)を参考に個人的ではありますが、解釈を書かせていただきました。このようにガイドラインで推奨されている方法を把握し、個々の利用者様に合わせて最適な方法をご提案させていただきます。当施設では川平法・HAL®・免荷式トレッドミル(メディカルケアピット)・電気刺激療法を用いて歩行の改善を目指していきます。ご興味ある方はまずはお問い合わせください。その後に無料体験にて上記の方法を体験していただき、お身体の状態に合った方法を見つけていければと思います。
ホームページからメール・お電話にてお待ちしております。

髙草木 信太朗

この記事を書いた人

髙草木 信太朗

理学療法士/脳卒中認定理学療法士

平成25年に理学療法士国家資格を取得。同年から令和4年3月まで群馬県玉村町にある医療法人樹心会角田病院で勤務し、障害者一般病棟・外来リハビリ、回復期リハビリテーション病棟、訪問リハビリなどを経験しながら、主に脳梗塞・脳出血・脊髄損傷・骨折・神経難病の患者様のリハビリに携わる。その間に日本理学療法士協会の認定資格である脳卒中認定理学療法士を取得し、脳卒中後遺症に対するリハビリを中心に学ぶ。令和4年4月からリハビリスタジオ群馬に勤務。