DISEASE

小児の脳梗塞・脳出血

概要

子供の脳梗塞の頻度はあまり高くありませんが、多くの要因が考えられます。MRI、MRA・CTを使用した血管撮影、非侵襲的検査を行い、必要性に応じてカテーテルで血管撮影も行います。
正しい知識で疾患を把握しなければ、再発の可能性が高まります。
約20%の患者さんで原因不明と言われていますが、要因を追求していくことは重要です。
また、子供の脳梗塞では、完成した治療がほとんど無いことも治療を困難にしています。大人の治療法を参考に子供の脳梗塞治療をしているというのが現状です。

子供における脳梗塞

  • 年間で10万人に1人~3人とも言われています。低頻度です。
  • 成人とは違い、原因が様々です。
  • 成人の脳梗塞より予後が良く、脳の可塑性が起きやすい。
  • 成長期の脳に梗塞が起きるため、機能的な予後は長期的に見て不良のことが多い。
  • 日本では、もやもや病が多い。

脳梗塞の原因

心臓疾患

心臓疾患は、子供の脳梗塞の大きな原因の一つです。心臓疾患の治療が比較的早くに行われるようになり、心臓疾患が原因の子供の脳梗塞は、減少してきています。

血管炎

子供の頭蓋内の血管炎では、血栓症、脳内出血、クモ膜下出血、脳静脈洞閉塞等が起こります。

水痘・Varicella

水疱瘡や帯状疱疹と子供の脳梗塞の関連性は近年注目されています。1万5千人に1人が脳梗塞になるとされています。
varicella zoster virusによる子供の脳梗塞の多くは基底核に起こっています。また、45%で再発があったとされています。

動脈解離

動脈解離の原因は、外傷または非外傷性で、何ら関係なく解離することがあります。重症の外傷に限らず、軽微な外傷でも血管解離を起こすことがあります。
頸部の内頸動脈の解離が多く、次に頭蓋内の内頸動脈で多く発生するとされています。
成人の場合、頭蓋内の動脈解離はくも膜下出血を引き起こしますが、小児の場合は多くは脳梗塞を発症し、症状は直後・数時間後・数日後に出ることもあり、さらに遅れる場合もあります。

ウィリス動脈輪閉塞症 (もやもや病)

ウィリス動脈輪閉塞症 (もやもや病)は、頭蓋内の内頸動脈の血管症です。側副路の血管拡張があり、この側副路をもやもや血管と呼びます。

当施設のセラピストによる「小児麻痺」のリハビリ経験

年齢:8才 性別:男の子 出身地:東京
症状:先天性脳動静脈奇形による脳出血

ホームページで川平法を知り、長時間経過した麻痺でも改善することを期待してリハビリを開始しました。
症状は足首の単麻痺でまったく足首を自分で上げることができませんでした。そのため、走る時は足を引きずってしまい、いつも徒競走では最下位になっていました。
少しでも足が上がるようになってほしいというお母さまの想いを叶えるため川平法を実施しました。
すると最初の介入で足首が上がるようになりました。2日目、3日目と上がる範囲が増えていき、5日目には健側と同じように足首を上げることができるようになりました。
そして、短期間のリハビリを終えた後、小学校に戻り徒競走をしたら、1人抜けた!と報告がありました。
川平法という特殊なリハビリと本人や家族の想いが重なることで奇跡のような改善をした症例でした。