COLUMNコラム

起き上がり動作のポイント

その他

はじめに

 こんにちは、リハビリスタジオ群馬の大山です。今回は起き上がり動作時のポイントを説明していきます。起き上がりは臥位の状態から座位に移行するための動作になります。そのため起き上がり動作は自立した日常生活を行うためにとても重要な動作になります。しかし脳卒中による麻痺の程度や筋力、疼痛などの要因により身体機能が低下している方には難易度の高い動作といえます。今回は起き上がり動作のポイントについて説明していければと思います。

起き上がり動作に必要な課題

 起き上がり動作を行う時に重要な課題は、1,上方向へ運動量を生み出す、2,体全体の支持から殿部に支持面が変化するにつれて重心移動を行いバランスを取ること。この2つの課題を達成するために重要な要素は体幹の屈曲・回旋です。体幹が屈曲しながら回旋も加わることで重力の影響を最小限にし効率的な起き上がりが行えます。この運動が行えないと寝た状態からまっすぐに起きなけれないけなくなりベッド柵を引っ張って起きる起き方等が認められます。この起き方は過剰な努力が必要だったり、柵がない環境では起き上がれなくなってしまったりと課題があります。
 体幹の屈曲と回旋を組み合わせた動作を行うには、体幹の可動域と腹斜筋群の活動が重要となります。起き上がりは寝返りの際のパターンとして出た屈曲回旋パターンと活動が似ている部分が多いため一連とした動作として屈曲回旋パターンの寝返り動作を獲得することが重要となります。

起き上がり動作時のポイント

起き上がり動作時にはどのようなポイントがあるか説明していきます。
 

on elbow

 起き上がり動作が出来るか動作を決める重要なポイントとして寝返りから下側の前腕で体幹を支持した姿勢(on elbow)が行えることが必要になります。上半身が回転するにつれて支持を肩関節から肘関節に移動させることが重要になります。起き上がりの始めに起こる肩甲帯の前方突出は前鋸筋によって起きます。前鋸筋が働くことで外腹斜筋の活動が誘発され体幹の屈曲回旋が強くなり外腹斜筋の活動は内腹斜筋の活動を誘発しさらに体幹の屈曲を強くし体重を肩から肘へ移行していきます。このときは寝返りの屈曲回旋パターンに似た動きになります。このあとに運動の方向が肘関節に体重がかかる方向に変化して回転のエネルギーも使いながら体を肘で支えるところまで起こして行きます。
 

肩甲帯の安定化

 起き上がり動作では上半身を肘で支えながら肩の支持から肘の支持(on elbow)に変化するために肩甲帯の安定性は重要となります。
まず、肩甲骨と胸郭の安定性を確保するためには前鋸筋と菱形筋の活動が重要となります。この筋肉が適切に働くことで肩甲胸郭関節の安定性が担保されます。
また、肩甲上腕関節の安定性を確保するためには棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋で構成される回旋筋腱板の活動が重要です。
 起き上がりの後半では体重を支える部位が肘から手根へと移動します。そのため手根-上腕-肩甲骨-胸郭を連結して体重を支える機能が必要です。胸郭、肩甲帯の安定に加えて、上腕三頭筋は前腕と上腕を連結し前腕で支えるところに機能します。これらの筋群が適切に働くことで下側の上半身が安定し安定した起き上がり動作が行えます。

まとめ

今回は起き上がりのポイントについて説明していきました。起き上がりは体幹・肩甲帯・上肢の安定性がとても重要です。リハビリスタジオ群馬ではon elbowから起き上がり動作が行えるための練習や体幹機能、肩甲帯機能向上のために起き上がり動作を使った練習等を実施しています!!

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