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脳卒中後遺症の生活を支える:サービス活用ガイド

その他

はじめに

このコラムについて
このページでは、脳卒中を経験したご本人やそのご家族に向けて、退院後の生活を支える「在宅リハビリ」や「地域の支援サービス」について詳しくご紹介します。
病院でのリハビリが終わっても、日常生活を取り戻すには継続的な支援が欠かせません。

「どんなリハビリが自宅で受けられるの?」「介護保険で使えるサービスは?」「家族の負担を減らす方法はある?」——そういった疑問に応えながら、具体的なサービス内容、相談窓口、最新の支援制度、テクノロジーの活用例などをわかりやすくまとめました。

脳卒中退院後の生活:継続リハビリと支援の重要性

脳卒中を発症し、急性期治療や回復期リハビリを経て退院した後も、多くの方は日常生活に不自由を感じながら生活を始めることになります。たとえば片麻痺、言語障害、嚥下障害、高次脳機能障害などの後遺症により、歩行や入浴、トイレ、コミュニケーションといった当たり前だった動作が一人では難しくなるケースも珍しくありません。

特に退院直後は、身体機能が完全に回復していない状態で在宅生活が始まるため、無理をすると再発や転倒のリスクが高まります。そのため「退院=完治」ではなく、「退院=再スタート」と考えることが大切です。

その再スタートを支えるのが、地域の中で受けられる在宅リハビリや生活支援サービスです。

退院後に受けられる主なリハビリサービス 退院後の生活をサポートする代表的な在宅リハビリサービスには、以下のようなものがあります。

■ 訪問リハビリテーション
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったリハビリ専門職が自宅を訪問し、身体機能や生活動作の維持・向上を目的とした訓練を行います。自宅の環境に合わせた指導が受けられるため、より実践的なトレーニングが可能です。また、家族への介助方法の指導や助言もしてくれるため、介護負担の軽減にもつながります。

■ 通所リハビリテーション(デイケア)
病院や施設に日帰りで通い、リハビリ訓練を受けるサービスです。食事や入浴の介助も受けられるため、身体機能の維持とともに社会的な交流の場にもなります。定期的に通うことで生活のリズムも整い、心身の安定にもつながります。

■ その他の在宅支援サービス
訪問看護(医療的ケア)、訪問介護(入浴・排泄・食事の介助)、福祉用具のレンタル・購入支援、住宅改修(手すり設置、段差解消)なども組み合わせて利用することで、在宅生活の安全性と快適さを高めることができます。

介護保険を活用するには?

これらのサービスは主に介護保険制度のもとで提供されており、要介護認定を受けることで利用できます。原則として65歳以上、または40〜64歳で特定疾病(脳卒中など)と診断された方が対象です。

サービス利用の流れは次の通りです:

・お住まいの市区町村窓口に要介護認定を申請。
       
・調査・審査を経て要介護度が決定。

・ケアマネジャー(介護支援専門員)が選任され、ケアプランを作成。

・利用者の希望や状態に応じたサービスがスタート。
介護保険の流れ説明画像

自己負担は原則1〜3割で、所得により異なります。各サービスには利用限度額があるため、複数のサービスを組み合わせながら、無理なく継続できるプランを立てることが重要です。

支援を受けられる窓口と地域の役割 在宅リハビリや介護サービスを円滑に活用するには、地域の支援体制との連携が不可欠です。

■ 地域包括支援センター
高齢者の暮らしを支える総合相談窓口です。介護保険の申請やサービス内容に関する疑問、日常生活の困りごとなどを幅広く相談できます。地域のケアマネジャーや医療機関、介護サービス事業者と連携して情報提供・調整を行ってくれます。

■ 居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)
介護保険を申請すると、利用者一人ひとりにケアマネジャーが担当としてつきます。本人や家族と面談し、必要なサービスを選定してケアプランを作成。定期的にモニタリングを行い、必要に応じてプランの見直しも行います。

■ 自治体の高齢福祉課・介護保険課
制度の申請窓口だけでなく、地域独自の支援(住宅改修費の助成、見守りサービス、移送支援など)を行っている場合があります。市区町村の公式サイトや窓口で情報を集めておくと安心です。

在宅介護を支える最新テクノロジーと制度の進展 高齢化が進む中、在宅介護を支援するテクノロジーも進化しています。近年注目されているのは以下のような取り組みです。

■ GPS機能付き見守り機器
認知症のある方などに向けて、徘徊時の安全確保を目的にGPS端末やセンサーが活用されています。まだ少ないですが、地域によっては購入の際に助成金が出るところも出てきています。

■ 福祉用具の進化と活用支援
介護ベッド・車いす・歩行器など、多くの用具がレンタルできます。自宅での安全性向上や介助負担軽減に有効です。最近はセンサー連携型の製品(転倒検知や見守り機能付きベッドなど)も増えており、公的導入支援制度での支援開始が期待されています。

■ ICTや介護ロボットの導入支援
自治体では、介護事業所に対してICT導入や介護ロボットの購入費を補助する制度を導入し始めています。結果として、より効率的で質の高いサービスを受けられる環境が整いつつあります。

家族も一人で抱え込まないで 在宅介護は、患者本人にとっても家族にとっても大きな負担となることがあります。特に介護に不慣れな家族は、心身ともに疲弊してしまうことも少なくありません。しかし、今は支援の選択肢が確実に増えています。

「自分たちでどうにかしないと」と思いつめるのではなく、制度や地域の力を借りることが自然な時代です。専門職や行政窓口を頼りながら、無理のない介護とリハビリを継続していくことが、本人の回復と家族の安定した暮らしにつながります。

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大山 直人

この記事を書いた人

大山 直人

令和2年に理学療法士国家資格を習得。同年から令和6年12月まで群馬県玉村町にある医療法人樹心会角田病院、介護老人保健施設たまむらで勤務し、回復期リハビリテーション病棟、老健通所リハビリを経験しながら、主に脳梗塞、脳出血・脊髄損傷・骨折・神経難病の患者様のリハビリに携わる。その間に神経領域の学術大会・研修会に参加し、神経疾患に対するリハビリを中心に学ぶ。令和7年1月からリハビリスタジオ群馬に勤務。