脳卒中リハビリの中で家族ができること

はじめに
脳卒中は、突然の発症によって患者様だけでなく、ご家族にも大きな影響を与えます。特にリハビリにおいては、患者様の回復を左右する重要な要素であり、ご家族のサポートが非常に重要です。しかし、「どのようにサポートすればよいのか?」と悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、脳卒中のリハビリを成功させるために家族ができる具体的なサポート方法を紹介します。
リハビリの基礎知識を理解する
脳卒中後のリハビリの目的とは?
脳卒中後のリハビリの目的は、失われた運動機能や言語能力を回復させ、できるだけ自立した生活を送れるようにすることです。リハビリを継続することで、脳の「可塑性(かそせい)」を活用し、脳の他の部分が損傷を補おうとする働きを促します。
リハビリを続けることで、麻痺によって動かなくなってしまった、または動きにくくなった手足の力を徐々に取り戻すことができます。 継続的なリハビリを行うことで、以下のような改善が期待できます。
筋力が強化され、安定して歩けるようになる
手が補助として使えるようになり、日常生活動作が向上する
バランスが改善し転倒などのリスクが減少する
関節の可動域が広がり、動作がスムーズになる
神経の働きが活性化し、感覚や動きのコントロールが改善される
発語やコミュニケーション能力が向上し、社会参加がしやすくなる
社会復帰の可能性が広がる
生活の質(QOL)が向上し、自信を取り戻せる
さらに、リハビリを続けることはご家族の介護負担を軽減することにもつながります。 例えば、患者様自身が少しでも動けるようになることで、着替えやトイレ動作の介助が減り、ご家族の負担が軽減されます。
また、リハビリは本人のメンタル面にも大きく影響します。「できること」が増えることで自信がつき、前向きな気持ちで生活できるようになるため、うつ症状の予防や精神的な安定につながります。
リハビリは「少しでも良くなる可能性を広げる手段」です。最初は小さな変化でも、継続することで徐々に改善へとつながるため、諦めずに取り組むことが大切です。
リハビリの継続が重要な理由
リハビリは短期間で終わるものではなく、数ヶ月から数年かけて継続することが必要です。途中でリハビリをやめてしまうと、回復が遅れるだけでなく、症状が悪化することもあります。ご家族がリハビリの重要性を理解し、患者様を励ましながら支えることが大切です。
また、慢性期に入った後でも、適切なリハビリを継続することで機能回復の可能性は十分にあります。 一般的に、発症から半年が「回復期」とされますが、それを過ぎた慢性期であっても、手や足の動きが改善した事例は多数あります。
慢性期のリハビリで重要なポイントは、「十分な量」と「質の高いリハビリ」を継続することです。
適切な運動量を確保することで、筋力低下や拘縮(関節の固まり)を防ぐ
脳への刺激を増やすことで、新たな神経回路の形成を促す
動作を繰り返し練習することで、徐々に生活動作を向上させる
「もう遅いのでは?」と思わず、あきらめずに適切なリハビリを続けることが、より良い回復へとつながります。
家庭でのリハビリ環境を整える
家庭でのリハビリ環境を整えることは、患者様の回復を促進するうえで非常に重要です。以下のポイントに注意して、日常生活の中でリハビリを進められる環境を作りましょう。
安全な生活空間を作る
段差をなくす(スロープや手すりの設置)
床に物を置かない(転倒リスクを減らす)
トイレや浴室に手すりを設置する
すべりにくいマットを使用する
ベッドの高さを調整し、起き上がりやすくする
日常生活の中でできるリハビリを取り入れる
食事の際に麻痺側の手を意識的に使う
テレビを見ながら手足を動かす軽い運動をする
家族との会話を増やし、言語リハビリを意識する
椅子からの立ち上がり動作を繰り返すことで筋力を鍛える
散歩や軽い体操を習慣にする
小さな積み重ねが、長期的な回復につながります。しかし環境設定は福祉用具などの知識も必要なことから家族のみで決めていくのは難しいこともあります、ぜひ理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門職に相談していただければと思います。
リハビリ専門家と連携する
専門家のアドバイスを受ける
脳卒中のリハビリには、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門家が関わります。家族が積極的に専門家とコミュニケーションを取り、リハビリの内容や進め方を理解することで、より適切なサポートができるようになります。
自費リハビリの活用も検討する
保険適用のリハビリでは時間や回数に制限があるため、もっとリハビリを受けたい場合は自費リハビリの活用も一つの選択肢です。最新の技術を用いたリハビリや、専門的なプログラムを受けることで、さらなる回復を目指すことができます。
特に、最先端のロボットリハビリ(HALなど)を活用することで、通常のリハビリでは得られない回復の可能性を引き出すことができます。 また、一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドのプログラムを提供し、効率的なリハビリを進めることができます。
「今のリハビリでは物足りない」「もっと回復を目指したい」と考える方は、ぜひ一度自費リハビリを体験してみてください。当施設では、無料体験もご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
「一緒に乗り越えていく」という気持ちを大切にしながら、焦らず、無理なくサポートしていきましょう。
川平法やHAL®を体験してみたい方!
無料体験はコチラ
LINEの友だち登録をしていただくと、お役立ち情報の配信をお知らせします!
LINEの友だち登録はコチラ
また、改善事例や動画もたくさん公開していますのでご覧ください!
改善事例・動画はコチラ

この記事を書いた人
令和2年に理学療法士国家資格を習得。同年から令和6年12月まで群馬県玉村町にある医療法人樹心会角田病院、介護老人保健施設たまむらで勤務し、回復期リハビリテーション病棟、老健通所リハビリを経験しながら、主に脳梗塞、脳出血・脊髄損傷・骨折・神経難病の患者様のリハビリに携わる。その間に神経領域の学術大会・研修会に参加し、神経疾患に対するリハビリを中心に学ぶ。令和7年1月からリハビリスタジオ群馬に勤務。