歩くスピードが落ちたと感じたら?

歩くスピードが落ちたと感じたら知っておきたい歩行改善のポイント
「最近、歩くスピードが落ちた気がする」
「前よりもすぐ疲れるようになった」
「脳卒中を経験してから、どこか歩き方がしっくりこない」
脳卒中を経験した40代~50代の方からこうした声をよく伺います。
仕事や家庭を支える世代だからこそ、少しの変化でも不安になりますし、「まだ大丈夫」と気持ちだけで乗り切ろうとしてしまう方も多いものです。ですが、歩くスピードの低下は“年齢のせい”だけではなく、身体のサインであることも少なくありません。
脳卒中の経験がある方なら、なおさら気づきにくい変化が積み重なっている可能性があります。
ここでは、難しい専門用語を使わずに「なぜスピードが落ちるのか?」「どう改善できるのか?」をやさしく説明していきます。
なぜ歩くスピードが落ちるのか
歩くスピードが落ちる理由は一つではなく、いくつかの要素が重なって起きることが多いです。特に脳卒中後の方は、無意識のうちに“守りながら歩くクセ”が体に残るため、ゆっくりした動きが習慣になってしまうケースがよく見られます。
足の筋力が少しずつ落ちている
歩くには、太もも・お尻・ふくらはぎなど、意外とたくさんの筋肉が協力しています。
脳卒中後は、とくに筋力が落ちやすく、歩幅が小さくなったり、蹴り出しが弱くなったりします。その結果、自然とスピードが落ちてしまいます。
バランスを保つ力が弱くなる
立っている時や歩いている時、体は常に小さな揺れをコントロールしています。
この調整がうまく働かないと、転ばないように慎重になり、どうしても歩みが遅くなります。
麻痺による左右差
麻痺が軽い場合でも、
「右足が前に出にくい」
「片側の足だけ疲れる」
といった左右差がスピード低下につながります。
気づきにくい変化
・足が地面をする音が増えた
・歩くと体が片方に揺れる
・疲れると足が上がらない
こうした小さな変化が積み重なり、以前より歩くのに時間がかかってしまいます。
心理面の影響
意外に大きいのが「不安」や「恐怖心」。
「またつまずいたらどうしよう」と考えると、足が前に出るのを自分で止めてしまい、動きが小さく、ゆっくりになってしまいます。
歩行スピードが落ちると何が起こる?
歩く速さは、見た目よりも日常生活に大きな影響を与えます。
疲れやすくなる
歩幅が小さいと、同じ距離でも足を動かす回数が増えるため、どんどん疲れやすくなります。
つまずき・転倒のリスクが上がる
スピードが遅くなると足が前に出るタイミングがずれ、つまずきやすくなります。
「ゆっくりの方が安全」と思われがちですが、実は逆効果のことも多いのです。
外出が減り、体力がさらに低下
疲れやすさ → 外出減少 → 筋力低下 のループに入りやすく、悪循環を招きます。
歩行改善に効果的なポイント
歩くスピードを改善するためには、“動きの質を整えること”が大切です。
1. 姿勢を少し意識する
・背中が丸くなる
・目線が下に落ちる
これだけで歩幅は確実に小さくなります。
胸を軽く張り、目線をやや前に置くだけで、足が前に出やすくなります。
2. 歩幅を「あと5cm広げる」イメージ
大きく歩こうとしなくて大丈夫です。
5cmだけ広げる意識を持つと、自然とスピードが上がります。
3. 足首・膝・股関節が「滑らかに」動くように
特に脳卒中後は、足首が硬くなったり、膝が伸びきらなかったりしがちです。
柔らかく動くと歩幅が広がり、スピードも上がります。
4. 体幹の安定
お腹や背中がグラグラすると、足だけで頑張る歩き方になり、疲れやすくなります。
体の中心が安定すると、歩き方が軽くなります。
5. 左右差を意識しすぎない
「右が悪いから…」と気にすると逆に力みが出ます。
まずは“左右バランスの感覚”を取り戻すことが大切です。
自宅でできる簡単トレーニング
無理なく、安全にできるものを紹介します。
※必要に応じて壁や椅子につかまりながら行ってください。
1. 足首の上げ下げ
椅子に座り、つま先をゆっくり上げ下げします。
足が地面をするクセの改善に役立ちます。
2. もも上げ
片方ずつゆっくり、太ももを持ち上げます。
歩く時の“1歩目の出しやすさ”につながります。
3. つま先立ち
ふくらはぎを使う練習。
地面を蹴る力が強まり、前に進むスピードが上がります。
4. 姿勢チェック
鏡の前で「背中が丸くなっていないか」を確認するだけでも効果があります。
脳卒中後の方に多い歩行のクセと向き合い方
「片足が出にくい」
「体が片方に傾く」
「スピードが一定にならない」
「疲れるとフォームが崩れる」
これらは多くの脳卒中経験者に共通して見られる“歩きのクセ”です。
大切なのは、「悪いクセがある=ダメ」ではなく、「それをどう扱うか」です。
・できる範囲で姿勢を整える
・疲れたら立ち止まってリセットする
・頑張りすぎず“ちょっと前へ”を意識する
これだけでも歩き方は変わっていきます。
専門リハビリを受けるメリット
1. 自分の歩き方を客観的に見てもらえる
自分では気づきにくい左右差や癖を、専門家が分析してくれます。
2. 必要な筋力・動きが明確になる
「どこを鍛えればいいか」が分かるだけで、歩行は大きく変わります。
3. 機器を使った歩行トレーニング
歩き方をサポートするロボットや、体を軽くして歩く機器なども役立つことがあります。
(例:HAL、免荷トレッドミルMCPなど)
あくまで「機器が歩かせてくれる」のではなく、
“自分の歩き方を取り戻すためのサポート”というイメージです。
まとめ 〜歩くスピードは変えられる〜
歩くスピードが落ちたと感じると、どうしても不安や焦りが出てくるものです。しかし、それは「変えられないもの」ではありません。
・小さな変化に気づくこと
・毎日のちょっとした取り組み
・必要に応じた専門リハビリ
これらを積み重ねることで、歩くスピードは確実に変わっていきます。
「今からでは遅いのでは?」
そう思う方も多いですが、そんなことはありません。
今日の一歩が、これからの歩きやすさにつながります。
無理なく、自分のペースで、前へ。
歩行は必ず改善できます。あなたの歩みは、まだまだ変わっていきます
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