座りすぎが健康に悪影響?簡単にできる予防法

はじめに
現代の生活では、デスクワークやスマートフォンの使用時間が増え、多くの人が長時間座り続ける生活を送っています。しかし、長時間の座りすぎが健康に悪影響を及ぼすことが、近年の研究で明らかになってきました。また、脳卒中を経験した方にとっても、座りすぎは回復に悪影響を与える可能性があります。リハビリ中の適切な運動量を確保することが、回復の速度や質に大きく関わってくるため、長時間の座位姿勢を避けることが重要です。今回は、座りすぎが健康に与えるリスクや、簡単にできる運動をご紹介します。
座りすぎが健康に与える影響
座りすぎが身体に与える影響は多岐にわたります。特に、以下のような問題が指摘されています。
血流の悪化
長時間同じ姿勢でいると、血流が滞りやすくなり、むくみや冷えを引き起こします。特に、足の血流が悪くなることで、静脈血栓症(エコノミークラス症候群)のリスクが高まります。
血流が悪化すると、筋肉に十分な酸素や栄養が供給されなくなります。これにより、筋肉が硬直し、痛みやしびれを引き起こすことがあります。また、血流の滞りは脳にも影響を及ぼし、集中力の低下や頭痛の原因になることもあります。座ったままでいる時間が長い人は、適度に足を動かすことで血流を促進し、健康リスクを減らすことが重要です。
筋力低下
座っている間は下半身の筋肉をほとんど使わないため、筋力が低下しやすくなります。特に、太ももの前側の大腿四頭筋や、お尻の筋肉である大殿筋が衰えやすいです。これにより、立ち上がる際のバランスが悪くなり、転倒のリスクが高まります。
さらに、腹筋や背筋も使われにくくなるため、体幹の筋力も低下します。体幹が弱ると、姿勢を正しく保つことが難しくなり、猫背や反り腰の原因になります。
精神的な影響
運動不足になることで、脳内のセロトニンやドーパミンの分泌が減少し、気分の落ち込みや意欲の低下が起こる可能性があります。
特に、デスクワークが多い人は、ストレスがたまりやすく、気分転換の機会が少なくなりがちです。適度な運動を取り入れることで、ストレスの軽減が期待できます。
脳卒中後のリハビリに対する座りすぎの影響
脳卒中のリハビリを行っている人にとっても、座りすぎは大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、以下のような問題が考えられます。
血流の悪化による回復遅延
脳卒中後のリハビリでは、脳や筋肉への血流を促進することが重要です。しかし、長時間座っていると血流が滞り、回復に必要な酸素や栄養素が行き渡りにくくなります。
麻痺側の手足の血流が悪くなると、筋肉の硬直や浮腫(むくみ)が起こりやすく、リハビリの効果が低下する可能性があります。
筋力低下の加速
脳卒中後は筋力が低下しやすい状態にあり、長時間座り続けることで、使われない筋肉がさらに衰えてしまいます。
立ち上がる機会が減ることで、歩行訓練の効果が下がり、再び歩くための能力を取り戻すのが難しくなる可能性があります。
関節の拘縮リスクの増加
同じ姿勢で長時間座っていると、関節が硬くなりやすく、特に股関節や膝関節の可動域が狭くなることがあります。
これにより、歩行の際に足が十分に上がらず、つまずきや転倒のリスクが高まる可能性があります。
姿勢の崩れによる二次的な痛み
座りすぎることで、姿勢が悪くなりやすく、腰痛や肩こりが生じることがあります。
これがリハビリへのモチベーション低下につながるだけでなく、痛みが強くなることでリハビリの進行を妨げる要因にもなります。
座りすぎを防ぐためのリハビリ法
座りすぎによる健康リスクを軽減させるためには、日常生活の中でこまめに体を動かすことが重要です。ここでは、簡単にできる予防リハビリ法を紹介します。
30分ごとに立ち上がる
長時間座り続けるのではなく、30分ごとに立ち上がるようにしましょう。タイマーをセットして、こまめに立ち上がる習慣をつけるのがオススメです。
ふくらはぎのストレッチ
座り続けることで血流が悪化しやすいふくらはぎをほぐすストレッチを行いましょう。
立ち上がり、壁に手をついて片足を後ろに伸ばす。
かかとを床につけたまま、前足に体重をかける。
20秒ほどキープし、反対側も行う。
お尻の筋トレ(スクワット)
下半身の筋力を維持するために、スクワットを取り入れましょう。
足を肩幅に開いて立ち、背筋を伸ばす。ゆっくり腰を落としていき、膝が90度になるくらいまで下げる。
ゆっくり元の姿勢に戻る。
10回を1セットとして、1日3セット行う。
まとめ
長時間の座りすぎは、さまざまな健康リスクを引き起こします。しかし、こまめに立ち上がったり、簡単なストレッチやエクササイズを取り入れることで、そのリスクを軽減できます。
日常生活の中で意識的に体を動かし、健康を維持するための習慣を作りましょう。今日からできる運動を実施し、座りすぎによる悪影響を防ぎましょう!
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この記事を書いた人
令和2年に理学療法士国家資格を習得。同年から令和6年12月まで群馬県玉村町にある医療法人樹心会角田病院、介護老人保健施設たまむらで勤務し、回復期リハビリテーション病棟、老健通所リハビリを経験しながら、主に脳梗塞、脳出血・脊髄損傷・骨折・神経難病の患者様のリハビリに携わる。その間に神経領域の学術大会・研修会に参加し、神経疾患に対するリハビリを中心に学ぶ。令和7年1月からリハビリスタジオ群馬に勤務。