COLUMNコラム

パーキンソン病をやさしく解説します

その他

はじめに

このコラムでは、パーキンソン病とはどんな病気なのか、どのような体の動きに変化が出るのか、症状と向き合う際に知っておきたいことなど、難しい専門用語をできるだけ避けながら、やさしく解説していきます。
みなさまが「少しでも知っておきたい」と思ったときに、安心して読み進められる内容にまとめました。
それでは次の章で、まずパーキンソン病の基本知識をわかりやすくお伝えしていきます。

パーキンソン病とは?

パーキンソン病とは、脳の“動きのコントロール役”が弱くなる状態。
身体の動きをスムーズにする役割を持つドパミンという神経伝達物質が減ることで起きる病気です。

脳の中でこのドパミンが減ることで、
・震えが出る
・身体がこわばる
・バランスが取りにくい
・足が出にくい

などの症状がゆっくり出てくるのです。(進行の速度には個人差があります)

よくある初期症状

パーキンソン病の初期は、加齢による変化と間違えやすい、そのため「年齢のせい」と思い込みやすいのです。

■ 片手の震え

何もしていない時に、片側の手が小刻みに震える。
力を入れて動かすと止まるのが特徴です。

■ 歩幅が小さくなる・歩き始めに足が出ない

最初の1歩が出にくくなる「すくみ足」が見られます。

■ 表情が硬くなる

顔の筋肉の動きが乏しくなり無表情に見えやすくなります。

■ 字がどんどん小さくなる

字を書く時に、極端に字が小さくなってしまいます。

■ 声が小さくなる・こもる

周りから「聞き返されることが増えた」などの変化もサインです。

■ 肩や腰がこりやすい

パーキンソン病特有の筋肉のこわばりにより肩や腰、手足も緊張してしまいます。

「前より少し変だな?」
その“違和感”が初期サインの可能性があります。
ふらふら歩く様子

加齢との違い

加齢による変化とパーキンソン病の症状は、確かに似ています。
しかし、いくつかのポイントが全く違います。

● 加齢

・ゆっくり動くが「動こうと思えば動ける」
・震えは両手に出やすい
・何かを持つと震えが強くなる

● パーキンソン病

・「動きたいのに動けない」
・震えは片側に出ることが多い
・安静時に震える(動作中は止まる)

この“動こうとしても身体がついてこない感じは、パーキンソン病の特徴です。

なぜ起きるのか?

はっきりした原因は不明です。

パーキンソン病は、明確な原因が特定できている病気ではありません。

ただし現在わかっているのは以下の点です。

・脳の黒質という場所でドパミンが減る
・年齢とともにリスクが上がる(50代以降に多い)

つまり、誰にでも起こり得る病気と考えられます。

日常生活で気をつけたいポイント

今日からできる、小さくて大きな工夫
■ 転倒を防ぐための環境づくり

・部屋の段差をなくす
・滑りやすいマットは避ける
・手すりや杖を無理なく活用

特に夜間は転倒のリスクが高まるため、足元灯を使うだけでも安心感が増します。

ウォーキングする画像

リハビリでできること

パーキンソン病のケアにおいて、リハビリはとても重要です。

■ 歩行の改善

歩幅を広げる練習や、リズム(メトロノームや音楽)を使った歩行は効果的です。

■ 姿勢改善

背中が丸くなったり体幹が側屈したりと変化しやすいです。リハビリにて姿勢を整えることで筋肉が使えたり、動作が楽に行えたりなど影響は大きくあります。

■ 筋力低下を防ぐ

動きづらさから体を使う量が減りやすいため、軽い運動でも継続することが大切です。

■ ご自宅でも取り組めるケア

・ゆっくり大きく動かすストレッチ
・ラジオ体操のような全身運動
・音楽に合わせたステップ運動

特別な器具がなくてもできるケアはたくさんあります。

パーキンソン病でも“前向きに暮らせる”

パーキンソン病と聞くと不安になる方も多いですが、薬やリハビリ、日常の工夫を組み合わせることで、生活が改善されるかたは多くいらっしゃいます。
たとえば、
・歩くのが不安だった方が、リズム運動を続けて外出が楽になった
・転びやすかった方が、姿勢練習で安定して歩けるようになった
・家事がつらかった方が、動作の工夫で負担を減らせた

などの前向きな変化がたくさんあります。
大切なのは、病気に合わせて生活を小さく調整しながら、“できること”を守っていくこと。

まとめ

パーキンソン病は、ゆっくり進行する(進行の速度には個人差があります)一方で、早めに気づき、適切なケアを続けることで“できること”を長く守れる病気です。
症状だけを見ると不安になりがちですが、リハビリや日常の工夫、医師のサポートを組み合わせることで生活の質を長く保つことが出来ます。

「今の自分にできること」をひとつずつ積み重ねていけば、これからの毎日も前向きに過ごしていけます。
無理せず、抱え込まず、必要なときは専門家に相談しながら、自分らしい暮らしを続けていきましょう。

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大山 直人

この記事を書いた人

大山 直人

令和2年に理学療法士国家資格を習得。同年から令和6年12月まで群馬県玉村町にある医療法人樹心会角田病院、介護老人保健施設たまむらで勤務し、回復期リハビリテーション病棟、老健通所リハビリを経験しながら、主に脳梗塞、脳出血・脊髄損傷・骨折・神経難病の患者様のリハビリに携わる。その間に神経領域の学術大会・研修会に参加し、神経疾患に対するリハビリを中心に学ぶ。令和7年1月からリハビリスタジオ群馬に勤務。