COLUMNコラム

正常歩行のバイオメカニクスについて

その他

はじめに

 こんにちは、リハビリスタジオ群馬の竹田です。本日は正常歩行のバイオメカニクスについて解説をしていきます。歩行とは足による移動のうち、比較的低速なものを指し、どの瞬間も少なくともひとつの足が地面に着いた状態での移動動作であるとされています。脳梗塞後遺症等の神経系の問題や骨折等の筋骨格の問題が生じると、歩行動作が不安定となり、異常歩行を呈します。正常歩行のバイオメカニクスを理解すると、異常歩行を観察した際に、逸脱した動作を発見することができ、問題点を抽出することに有効となります。今回も最後まで読んでいただけると幸いです。

歩行分析のポイント

 歩行を分析する際には最初に重心の軌跡に着目します。重心が安全に移動していれば物を持っていても、誰かと話をしていても歩行が可能となります。安全性、効率性、姿勢の対称性に問題がないかどうか歩行動作を観察する必要があります。正常歩行では上下の重心の軌跡は波打っており、まっすぐに移動するわけではなく、正弦曲線を描きます。2足歩行に振り子モデルを当てはめてみると、立脚期は倒立振り子、遊脚期は二重振り子として動いていることがイメージできると思います。

矢状面から観察する歩行動作

 立脚期を倒立振り子で考えてみると、支持脚が切り替わるタイミングで重心の落ち込みが出現するはずですが、実際に歩いてみるとなめらかに重心を制御することができます。これはなぜでしょうか?このことには足部が大きい役割を担っています。支持脚が切り替わるタイミングでの足部の役割は、両脚支持期で重心が落ちないように高い位置を保ち続ける一方で、単脚支持期に向けてなめらかに重心を移動させることにあります。これによって重心の軌跡は効率的で美しい正弦曲線を描きます。
 特に両脚支持期は重心の移動速度が最も早くなるポイントであり、落下する重心を効率的に前方移動へと変換する機能も要求されます。これらの細かい重心制御を可能にしているのが足部のロッカーファンクションです。ロッカーファンクションは3つに大別され、ヒールロッカーは初期接地から足底接地までの間に生じ、踵骨隆起の丸い表面によって踵全体が前方へ転がるように移動します。アンクルロッカーは足底接地後に下腿三頭筋の遠心性収縮によって背屈していく距腿関節の動きであり、下肢の前方移動を促します。フォアフットロッカーは立脚終期で踵が浮き始めるとともに生じる中足趾節関節を軸とした足部の回転であり、これによって体はより前方へ押し出されます。

前額面から観察する歩行動作

 歩行時は骨盤をなるべく水平位に保つため、常に外転モーメントが働いており、そのモーメントの大きさは床反力の大きさに応じて増減しています。歩隔が広いとその分重心の左右移動が大きくなり、効率が悪くなります。歩隔を狭くするとその分重心の左右移動が大きくなり、重心を前方に推進させることができる。しかし、股関節は常に軽度内転位にしなければ狭い歩隔を保つことができない。股関節内転位では股関節の中心から床反力の距離が遠くなるため、外部モーメントは大きくなります。これに対抗して姿勢を保持するためには、股関節が常に大きな外転モーメントを発揮しなければなりません。
 歩行時には常に股関節外転筋群が活動している必要があり、その活動が不足していれば、股関節は内転させようとする外力に負けて股関節内転が生じます。これは歩行時にふらつきが目立つ患者に出現することが多い問題点であり、歩行の安定性を確保するために注目すべきポイントです。

歩行の相分けとポイント

 歩行の相分けではランチョ・ロス・アミーゴ方式が有名です。この分類では「初期」「中期」「終期」などの中立的な概念に加えて機能的に重要な役割を持つ荷重応答期、前遊脚期を独自の方法で名付けています。この2つの機関では重心が最も下がるとともに速度が最も早くなります。このときのエネルギーを効率的に前方への推進力へと変換することが効率的な歩行の実現には欠かせません。そのため、歩行分析においてこの期間は最も着目すべきポイントであると言えます。
 筋活動に関しては荷重応答期や立脚終期に多くの筋肉が活動しています。このどれかの筋に機能不全が生じればこの期間に異常が生じます。また、前述したとおりに歩行は振り子運動であるため、振り子の頂点(立脚中期や遊脚中期)ではほとんど力を要しません。この相に矢状面上の問題が起きているとすると、それらは膝関節や足関節に無駄な力が入ってしまっている証拠となります。もし膝関節や足関節に過度な力を入れていないのに問題が起きているとすれば、それは倒立振り子・二重振り子モデルで表現される以外の部分(股関節や体幹)の問題であるため、前額面上の動きを分析する必要があります。立脚中期では、完全に一側の下肢のみによる左右方向の股関節・体幹の姿勢コントロールが必要となります。具体的には新たな支持基底面となるステップ足の足へ重心を受け流すような股関節外転筋の作用が求められます。

まとめ

 今回は重心の動きから正常歩行のバイオメカニクスについて解説をしました。片麻痺の患者様などではロッカーファンクションが機能しないことが多く、歩幅が狭く重心を大きく上下に移動させながら歩行することが多いです。リハビリスタジオ群馬では利用者様の歩行障害に対して川平法や物理療法、ロボットリハビリを提供させていただいています。ご興味のある方は、無料体験も実施していますので、ぜひお問い合わせください。

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竹田 圭佑

この記事を書いた人

竹田 圭佑

群馬県玉村町にある医療法人樹心会角田病院、介護老人保健施設たまむらで勤務し、回復期リハビリテーション病棟、障害者一般病棟・外来リハビリ、老健入所リハビリを経験しながら、主に脳梗塞・脳出血・脊髄損傷・骨折・神経難病の患者様のリハビリに携わる。その間に神経領域の学術大会・研修会に参加し、脳卒中後遺症に対するリハビリを中心に学ぶ。令和6年4月からリハビリスタジオ群馬に勤務。