【健康寿命をのばす】フレイル対策!!

はじめに
「最近、疲れやすくなった」「外に出るのが面倒」「食が細くなった」
年齢を重ねるとともに、このような変化を感じる方が増えてきます。
こうした状態は「フレイル(虚弱)」と呼ばれ、健康と要介護の中間に位置する段階です。
フレイルは放置すると転倒や寝たきり、認知症のリスクが高まりますが、早期に対策をすれば元の元気な状態に戻ることができるのが大きな特徴です。
フレイルについて、チェックの方法、対策について説明していきたいと思います。
フレイルってなに?サルコペニアとの違いは?
「フレイル」とは、加齢に伴って心身の活力が低下し、生活機能や社会的活動が衰えた状態のことです。
一方、「サルコペニア」は筋肉量と筋力が著しく減少した状態で、フレイルのうち身体的な側面に該当します。つまり、フレイルはサルコペニアを含みつつ、心理・社会的な側面まで含むより広い概念です。
フレイルの3つの側面と相互関係
身体的フレイル:筋力・バランス能力の低下、転倒リスクの増加
心理的フレイル:うつ傾向、認知機能の低下、無気力状態
社会的フレイル:人との交流機会の減少、孤独感、閉じこもり
これらの要素は互いに影響し合い、悪循環を生み出します。
たとえば、外出の機会が減ることで筋力が衰え、心理的に落ち込み、さらに人と会わなくなる…といった形です。だからこそ、フレイル対策は多面的なアプローチが求められます。
フレイル予防の3本柱
フレイル対策には、運動・栄養・社会参加の3つの柱をバランスよく行うことが基本です。
この3要素を取り入れることで心身の改善だけでなく、生活全体を活性化させる効果があります。
運動:筋力強化とバランス能力の維持
年齢とともに筋力は自然に低下します。特に太ももやお尻など、下肢の筋力が衰えると歩行能力や立ち上がり動作に影響します。
筋力トレーニング、バランス練習、有酸素運動などを実施することで身体機能の維持・向上が期待できます
また、筋トレだけでなくストレッチや呼吸法、姿勢改善も含めた包括的な運動が推奨されます。
栄養:低栄養の予防
フレイルの大きな原因のひとつが「低栄養」です。特にたんぱく質不足は筋肉の減少を招きます。
ポイントは「たんぱく質を1日60〜80g目安でしっかり摂ること」。肉・魚・卵・大豆などを意識的に取り入れることが大切です。
筋トレなどの運動を行っても筋肉の元となる様々な栄養が取れていないと体力や筋力をつけることはできません、食事はとても重要なトレーニングです。
社会参加:人とのつながりが心身を守る
外出が減ると、筋力が衰えるだけでなく、うつや認知機能低下のリスクも上がります。
近所の友人と話す、趣味のグループに参加する、地域の集いに顔を出す
これらの小さな社会的活動が、心と体のフレイル予防に大きく寄与します。
また、通所リハビリやデイケアには、「身体機能の維持」だけでなく「居場所づくり」としての側面もあり、特に効果的です。
自宅でできる!簡単フレイル予防エクササイズ
病院や施設に行けない日でも、自宅で継続できる運動はたくさんあります。
▶ かかと上げ運動(ふくらはぎの筋力アップ)
目的:歩行時の推進力向上、血流改善
まっすぐ立つ(壁や椅子の背もたれなどを支えに使ってもOK)
ゆっくりかかとを上げて、つま先立ちに
2秒キープしてゆっくり下ろす
→ 10回×2セット
▶ 椅子スクワット(太もも・お尻の筋力)
目的:立ち上がりや階段動作の改善
椅子に浅く腰かけ、手は胸の前で組む
背筋を伸ばして立ち上がる
ゆっくり元の位置に戻る
→ 10回×2セット
▶ 片脚立ち(バランス強化)
目的:転倒予防、体幹の安定
壁や机に手を添えて片脚を浮かす
10秒キープ、交互に繰り返す
→ 左右各3回ずつ
※転倒に注意し、必ず安定した場所で行いましょう
まとめ
フレイルは「予防も改善も可能な状態」であり、決して年齢のせいであきらめるべきものではありません。
日々の小さな心がけ—適度な運動、バランスの良い食事、人との交流—が、5年後10年後の自分の健康状態を大きく左右します。
また、フレイルと感じた際にはかかりつけの医師や地元の地域包括支援センターなどに相談してみると良いかと思います。多くの自治体や地域団体が、フレイル予防を目的とした体操教室や栄養講座などを開催しています。これらの活動は、「運動」「栄養」「社会参加」の3要素を同時に満たす場であり、気軽に第一歩を踏み出すきっかけになります。
また、リハビリスタジオ群馬でもセラピストによるマンツーマンのリハビリを行えますのでご検討いただければと思います。
リハビリは、単なる機能回復だけでなく、生活の質(QOL)を向上させる力を持っています。
「もう年だから」と言わず、「今からでもできること」を始めてみましょう。その一歩が、健康寿命をのばす第一歩です。
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この記事を書いた人
令和2年に理学療法士国家資格を習得。同年から令和6年12月まで群馬県玉村町にある医療法人樹心会角田病院、介護老人保健施設たまむらで勤務し、回復期リハビリテーション病棟、老健通所リハビリを経験しながら、主に脳梗塞、脳出血・脊髄損傷・骨折・神経難病の患者様のリハビリに携わる。その間に神経領域の学術大会・研修会に参加し、神経疾患に対するリハビリを中心に学ぶ。令和7年1月からリハビリスタジオ群馬に勤務。