寝返り動作のポイント
はじめに
こんにちは、リハビリスタジオ群馬の大山です。今回は寝返り動作のポイントについて説明していきたいと思います。
みなさん寝返り動作についてどのように認識しているでしょうか、ベッドで寝ているときに向きを変えるというときに使う一方これから起き上がるときに寝返りという動作は必要です。つまり寝ている姿勢から起き上がり姿勢に変化するときの最初の動作と言えます。今回は寝返りの際の大切なポイントを説明していきます。
寝返り動作のパターン
寝返り動作の仕方は人によって様々な形があり、多数の種類が認められます。これは寝返りの際、身体全体がベッドに接地しておりバランスが安定であるため重心を制御することに拘束されないためです。一方で普遍的な特徴として体軸内の回転運動を伴うという特徴があります。これに注目すると寝返り動作は体幹の屈曲回旋を用いるパターンと伸展回旋パターンの2つのパターンに大別することができます。屈曲とは体や頭を曲げる運動で伸展とは伸ばす運動のことです。
この2つのパターンを考えるときに寝返りの次に起き上がりに繋げることを考えると屈曲回旋パターンを使って寝返りをしたほうが良いです。逆に伸展回旋パターンを使って寝返りをしている方は起き上がりが円滑に行えない方が多いです。
屈曲回旋パターンと伸展回旋パターン
屈曲回旋パターンと伸展回旋パターンが実際にどのような運動なのかを説明していきます。
屈曲回旋パターン
第1相
頭頚部が寝返り方向に屈曲回旋します。これにともない寝返る方向と反対側の上肢がリーチしてきます。
第2相
胸椎→腰椎の順番で体幹を回旋していき上部体幹が寝返ります
第3相
下部体幹が回旋していき横向きになって寝返りが完成します。
伸展回旋パターン
第1相
頭頚部が伸展し寝返る方向に回旋していきます。リーチは起きず寝返りと反対側の膝を曲げて足部をベッド上につけます。
第2相
上肢のリーチは起きず下肢でベッドを押して体を回旋していきます。
第3相
体を反って上部体幹が回旋していき寝返りが回旋します。
屈曲回旋パターンによる寝返りのポイント
どうすれば屈曲回旋パターンを使用した寝返りが行えるのかそのポイントを説明していきます。
頭頚部のコントロール
頭部の動きは体幹の筋肉の働きに大きく影響します。頭部が屈曲しおへそを向くような方向に傾くことで腹部の筋に収縮が入りやすくなり屈曲回旋パターンに入りやすくなります。
肩甲骨の動き
次に寝返り側へのリーチ運動が出てきますがこの時には肩甲骨の前方突出が生じます、肩甲骨の前方突出には前鋸筋の活動が必要になります。体幹の回旋は上側の前鋸筋、菱形筋、外腹斜筋が働くことで回旋することができます。
体軸内回旋
肩甲骨が前方突出した後には脊柱が上から下へと徐々に回旋が生じていきます。このときに働く筋肉は上側の外腹斜筋と下側の内腹斜筋です。また、この胸椎の回旋を行うためには肋骨の可動性が必要となります。肋骨周りに付着している筋肉の柔軟性も回旋動作には重要となります。その後に下部体幹の回旋運動が起こります。この時には筋収縮が変わり上側の内腹斜筋、下側の外腹斜筋が回旋することで回旋動作が生じます。また、腹斜筋は屈筋のため屈曲した体幹を伸展方向に伸ばすことはできません、側臥位の姿勢をとる際には腹斜筋を使って屈曲回旋した後に上側の僧帽筋下部繊維を使って伸展方向に体を伸ばす必要があります。この運動は腹斜筋の活動が切り替わるタイミングで生じます。
体重移動
寝返りの際のポイントで頚部や上肢など上半身についてのポイントを説明してきましたが下肢の動きも効率的な回転動作を生み出すのには重要です。左側に寝返ることを考えると下肢が地面についたままでは体は安定した状態になってしまうため回転動作が行いにくい状態です、股関節の屈伸展の動作を生み出し安定をはずし回転しやすい重心移動ができると体幹回転が行いやすくなります。
まとめ
寝返り動作は人によって様々なパターンがありますが起き上がりにつなげるためには屈曲回旋パターンを使った寝返り運動が重要となります。また、腹部に力が入りやすくなるため背部の緊張が高い方等にも良い運動となります。
リハビリスタジオ群馬では基本動作の練習指導も積極的に行っています。寝返りや起き上がり等の起居動作でお悩みの方もぜひお問い合わせをお願いします。
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