COLUMNコラム

脳梗塞後遺症!!動作獲得に向けての運動学習とは?

その他

はじめに

皆さんこんにちは。リハビリスタジオ群馬の吉田です。今回は、運動学習について説明していきたいと思います。運動を習得する上で、運動学習は大事な一つになります。名前の通り「運動」の「学習」のため、これがおこなわれないと、習得することが難しくなります。逆に言えば、この機能を活用することで、未熟だった動作や運動が可能になります。

運動学習とは

上記にも少し説明したように、運動を習得する上で必要なものになります。過去の経験や失敗などを把握し、より良い動きに変えてくれる重要な役割です。動作を遂行したフィードバックにより誤差情報が修正され、徐々に正確なフィードフォアード運動指令を出す内部モデルが作られます。
また、運動学習の過程の中には「強化学習」「教師なし学習」「教師あり学習」が必要とされています。

※フィードバック:運動を行った後の段階。  フィードフォアード:運動を行う前の段階。

強化学習

大脳基底核が関与しています。運動を行う際の予測した報酬と、その運動を行った後の報酬との差によって生まれます。さらには、報酬がいつ与えられるか予測できる状態では反応せず。いつ与えられるか不明の時に反応します。
報酬の差によって与えられるものであるため、もちろんマイナスな学習も行われる可能性があります。過大に見積もって実際の結果との差が負になり、それを回避できないと学習性無力感を認めることもあります。その為、運動を行う際の目標設定を注意して決めないといけません。
※学習性無力感:回避不可能なストレス状態に置かれると、抵抗することさえしなくなるという現象。

教師なし学習

大脳皮質が関与してきます。学習したい運動を繰り返し行うことで、学習成果が脳に定着してきます。どのように注意するか、どの記憶を使うかなどの作業記憶を含み、能動的に課題を行うことで成立する学習となります。
脳には可塑性と言って、損傷していない部位が壊死した細胞が担っていた機能を代替し、運動の記憶が戻る機能があります。教師なし学習では、この可塑性を使い、運動課題を成立させます。正しい運動を繰り返し行うことで認めますが、回復の過程で、正しい運動というのは変わってくるので注意が必要です。またあくまで能動的に行うため、自力で遂行可能な難易度設定も必要になります。

教師あり学習

小脳が関与してきます。予想していた運動と実際の運動との誤差による学習になり、内部モデルを構築することで成立します。例えば、素人の運動はぎこちないが、プロは滑らかで無駄がないような動きになります。このように誤差を修正していき、滑らかな、無駄のない運動に変えてくれます。また先行研究では、脳卒中後の機能回復に置いて、回復が良好な方には小脳の活性化が認め、不良な方は活性化が乏しいとされています。教師あり学習での運動を行うことで機能改善が図れるとされています。

まとめ

脳卒中後の運動学習には「強化学習」「教師なし学習」「教師あり学習」と3つの学習方法があります。それぞれ働きは違うが、動作獲得に向けて必要な学習になってきます。
リハビリスタジオ群馬では、このような知識を取り入れながら、利用者様一人一人の目標に向けて必要な動作獲得を目指しリハビリの提供をさせて頂いています。ご興味ある方は、無料体験も実施していますので、ぜひお問い合わせください。

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吉田 光希

この記事を書いた人

吉田 光希

施設管理者/理学療法士

平成31年に理学療法士国家資格を取得。同年から令和4年3月まで群馬県玉村町にある医療法人樹心会角田病院に勤務し、急性期一般病棟、回復期リハビリテーション病棟を経験しながら、主に脳梗塞・脳出血・脊髄損傷・骨折・呼吸器疾患の患者様のリハビリに携わる。その間に脳卒中患者に対するHALの効果をリハビリ報告として学会で発表。その後も脳卒中後遺症に対するリハビリを中心に学ぶ。令和4年6月からリハビリスタジオ群馬に勤務。

■学会発表歴
令和02年
第28回日本慢性期医療学会 演題名:HALによる歩行訓練により、歩行能力が向上した症例
令和04年
第29回群馬県理学療法士学会 演題名:頚髄損傷患者へ対する歩行神経筋電気刺激療法装置ウォークエイド®を用いた自主練習の効果

■資格
理学療法士免許
登録理学療法士
日本理学療法士協会指定管理者(初級)
Formthotics Authorized Medical Advisor Course

■経験
急性期一般病棟  回復期リハビリテーション病棟