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HAL®ってなに!?HAL®下肢タイプを使用する3つのメリット!!

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リハビリスタジオ群馬の高草木です。
本日は当施設に導入されているHAL®自立支援用下肢タイプPro(以下HAL®下肢タイプ)についてご紹介していきます。
HAL®は脳梗塞・脳出血後遺症、脊髄損傷・神経難病等の立ち上がりや歩行の障害に対して有効と言われている機器であるため、お読みいただけると幸いです。

HAL®とは!?
HAL®はHybrid Assistive Limb®の略称であり、世界初の装着型サイボーグとして筑波大学の山海嘉之教授らにより開発され、CYBERDYNE株式会社からリリースされています。
HAL®(Hybrid Assistive Limb®)は、身体機能を改善・補助・拡張・再生することができる、世界初※の装着型サイボーグです。
人が体を動かそうとすると、その運動意思に従って脳から神経を通じて筋肉に信号が伝わり、その際、微弱な「生体電位信号」が体表に漏れ出してきます。HAL®は、装着者の「生体電位信号」を皮膚に貼ったセンサーで検出し、意思に従った動作を実現します。
(引用元:CYBERDYNEホームページ

HAL®の動作原理とiBFのしくみ
HAL®は、取得した生体電位信号と重心や関節角度などの運動情報を瞬時に処理し、自然なタイミングでパワーユニットを駆動させるため、HAL®があたかも自分の体の一部のように感じられ、人とHAL®との機能的な融合・一体化を実現できます。生体電位信号は股関節・膝関節を曲げ伸ばす筋肉にセンサーを貼り、検出します。重心はHAL®専用の靴にセンサーが内蔵され、体重のかかり具合を把握し、重心位置を検出します。パワーユニットとは左右の股関節・膝関節にモーターがついており、関節運動をアシストします。
iBF(interactive BioFeedback)とは、HAL®を装着することで、脳から始まりHALのアシストを介して脳へと戻る双方向のバイオフィードバックループのことをいい、iBFを構築し、低い運動負荷で繰り返し運動することで、適切な脳神経系の繋がりが強化・調整されると考えられています。

HAL®下肢タイプを使用する3つのメリット!!!
HAL®下肢タイプには『STAND』と『WALK』の2つのアシストモードが存在し、利用者様の状況や改善したい動作に合わせて、アシストするモードを選択し、適切なアシストで動作練習が可能です。この2つのモードを使用することで得られるメリットを以下に解説していきます。
➀立ち上がり動作の改善
『STAND』モードを使用することで、あらかじめプログラムされている立ち上がり運動を装着者の重心移動と生体電位に合わせてアシストすることが可能です。自ら立ち上がることができない方でもアシストがあることで立ち上がりが可能になり、さらに動作を反復することで動作の学習を行うことが可能となります。またモニター上に重心位置も表示されるため、視覚での確認も可能です。

➁歩行動作の改善
『WALK』モードを使用することで、あらかじめプログラムされている歩行動作を装着者の重心移動に合わせて『SUPPORT』という歩行の立脚期(支える下肢)のアシストと『SWING』という遊脚期(振り出す下肢)のアシストを行います。また装着者の股関節・膝関節の動きを見て各関節毎にアシスト量を設定できるため、下肢を振り出す際に膝が曲がらない方には膝関節屈曲のアシスト量の増加、下肢が地面についたときに膝折れしてしまう方には股関節・膝関節伸展のアシスト量の増加など個々の問題点に合わせて歩行の改善を行うことができます。

➂歩行速度の改善
さらに『WALK』モードには歩行速度に合わせて適切なタイミングでアシストをすることが可能であり、当施設に導入されているメディカルケアピットという免荷式トレッドミルという機器と併用することで安全に速い歩行速度で歩行トレーニングをすることが可能となります。速い速度で歩行トレーニングをすることで歩幅の拡大や歩行リズムが向上し、普段の歩行速度の改善も期待できます。メディカルケアピットに関しては今後、コラムでも取り上げていきます。まずは当施設のインスタグラムで簡易的に説明していますので、ご覧ください。⇒インスタグラムはこちら

当施設のHAL®活用事例・改善事例
こちらからご覧ください!!!

HAL®は脳梗塞・脳出血後遺症、脊髄損傷・神経難病等の立ち上がりや歩行の障害に対して有効と言われています。HAL®を導入している施設は徐々に増えてきていますが、まだまだ少ないのが現状です。立ち上がりや歩行動作の改善を願う方々にHAL®を使用したトレーニングを届けられるように、より良いトレーニングを提供できるように精進していきます!

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髙草木 信太朗

この記事を書いた人

髙草木 信太朗

理学療法士/脳卒中認定理学療法士

平成25年に理学療法士国家資格を取得。同年から令和4年3月まで群馬県玉村町にある医療法人樹心会角田病院で勤務し、障害者一般病棟・外来リハビリ、回復期リハビリテーション病棟、訪問リハビリなどを経験しながら、主に脳梗塞・脳出血・脊髄損傷・骨折・神経難病の患者様のリハビリに携わる。その間に日本理学療法士協会の認定資格である脳卒中認定理学療法士を取得し、脳卒中後遺症に対するリハビリを中心に学ぶ。令和4年4月からリハビリスタジオ群馬に勤務。