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AI歩行分析トルト 安全な歩行を判断する4つのポイントとは!?

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リハビリスタジオ群馬の高草木です。
本日は当施設で導入されている歩行分析AI『トルト』をご紹介していきます。
まずは転倒と歩行の関係性からなぜ歩行分析が必要なのか、また歩行分析で何がわかるのかを解説していきます。その後に当施設での活用事例を動画で示しますので、最後までお読みいただき、理解を深めていただければと思います。

①転倒と歩行
転倒の約5割は歩行中に発生しているとの報告があり、不安定な歩き方や歩行能力の低下は複数回の転倒発生と強く関連していると言われています。
転倒の主な理由としてはつまづいた(約50%)、滑った(約20%)、めまい(約10%)という調査報告があります。『なぜつまづきやすくなっているのか!?』の理解が転倒と歩行機能の関連を把握する上で重要なポイントです。
ご自身の歩き方の問題やどのような歩き方をしているか、客観的に見たことがあるでしょうか?また人の目では分かりにくい部分もあり、どのように良くなっているか、悪くなっているかが分からないことがあると思います。そこで歩行分析や歩行の見える化が必要となります。

②歩行分析AI『トルト』ってなに!?
スマホ・タブレットで歩行の様子を動画を「撮る」だけで、簡単に歩行分析ができるものになります。分析は理学療法士の知見を基に開発されたAIが行い、現場の評価を支援してくれます。また4つの転倒に関する項目を数値化し、転倒リスクを教えてくれます。
また日常的に動画を撮ることで、利用者の変化を見える化し、利用者や家族の満足度向上、またスタッフ間で動画を通した意思疎通を図ることで情報連携の円滑化の実現を目指して開発されたものになります。

③『トルト』での歩行分析の方法
1.固定したスマホやタブレットにて5mを歩いている動画を撮影
2.歩行動画を取り込み、必要情報を入力し解析
3.約2分間で解析が完了し、解析結果および歩行動画の閲覧
4.希望があれば利用者・家族・CMのメールアドレスで情報共有をWEB上で実施

④トルトで分かる転倒に関する4つの項目
転倒リスクと歩行との関連を調査した論文によると転倒の危険度は筋力低下、転倒歴、歩行機能低下、バランス低下が高いと言われています。また転倒者の歩行を分析した研究によると、歩幅が短く、歩調の変動が大きく、歩行速度が遅い特徴があると言われています。また転倒回数に関連する歩行の因子を調べた研究によると、1回転倒では歩行速度、複数回転倒では歩幅の低下、歩行角度の左右差が大きいことが言われています。
トルトでは上記で言われている転倒に関連する因子を分析することが可能となっています。

1.速度
5mを何秒で歩けるかを表します。
秒数が短いほど良く、3.85秒より速いと良い歩行状態となっています。

2.リズム
歩行のテンポのばらつきを表します。
値が低いほどリズムの良い歩行状態で、5%未満で安定した歩行となっています。

3.ふらつき
頭と体の左右への揺れの大きさを表します。
大・中・小・無しの4段階となっており、ふらつきなしまたは小がバランスのとれた歩行状態となっています。

4.左右差
左右の足で支える時間の割合を表します。
左右とも50%に近いほど良い歩行となっています。

⑤脳梗塞・脳出血後遺症による歩行の変化
脳梗塞・脳出血後遺症では片麻痺という症状が出現します。以前のブログも参照してください。
脳梗塞・脳出血後遺症に有効な川平法!!麻痺を改善させる3つのポイント
この後遺症により、左右差が生じるとともに、体重のかけ方も偏りが出現するため、歩行リズムが悪くなり、ふらつきや歩行速度も低下してしまいます。
上記の問題を解決するためにも、トルトによる歩行分析を行い、問題点を点数化し、利用者様と共有することでご自身の歩行の問題点がわかりやすくなります。また点数化することで改善していく過程も追っていくことができるため、リハビリの効果を実感でき、さらなる改善に向けたモチベーションの向上も期待できます。

⑥当施設の『トルト』活用事例、改善事例
こちらからご覧ください!!!

トルトHP https://carewiz.ai/toruto/

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髙草木 信太朗

この記事を書いた人

髙草木 信太朗

理学療法士/脳卒中認定理学療法士

平成25年に理学療法士国家資格を取得。同年から令和4年3月まで群馬県玉村町にある医療法人樹心会角田病院で勤務し、障害者一般病棟・外来リハビリ、回復期リハビリテーション病棟、訪問リハビリなどを経験しながら、主に脳梗塞・脳出血・脊髄損傷・骨折・神経難病の患者様のリハビリに携わる。その間に日本理学療法士協会の認定資格である脳卒中認定理学療法士を取得し、脳卒中後遺症に対するリハビリを中心に学ぶ。令和4年4月からリハビリスタジオ群馬に勤務。