COLUMNコラム

脳梗塞リハビリ!!脳卒中の病態について

その他

皆さんこんにちは、リハビリスタジオ群馬の吉田です。
今回は脳卒中の病態について紹介させていただきます。脳卒中の中にも、「出血性脳卒中」「虚血性脳卒中」と別れています。また、発症部位によっては、手足を動かしずらくなる方もいれば、全然動く方もいらっしゃいます。そもそも、なぜ脳卒中になってしまうのか、どのような種類があるのか、どのような影響を及ぼすのかについて説明していきたいと思います。ぜひ最後まで読んでいただき、理解を深めていただければと思います。

脳梗塞後遺症、なぜ脳卒中になってしまう?

脳卒中予防や再発予防において知っておきたいところになります。なぜ脳卒中になってしまうのか、なにに気を付けなくてはいけないのか、について説明します。脳卒中とは上記にもお伝えしたように「出血性」「虚血性」があります。血管が破れて出血するものを出血性と言い、血管が詰まって酸素や栄養が不足してしまうものを虚血性と言います。この2種類の脳卒中の共通原因として「高血圧」が挙げられます。高血圧とは字のごとく、血圧が高い状態を言います。基準としては140/90mmHg以上とされており、家庭用血圧計では135/85mmHg以上とされています。常に血圧が高い状態ですと、長期にわたる血管への負担で血管壁が変性し、破れやすい状態になってしまいます。また動脈硬化といって、血液を送る血管にコレステロールがたまって内壁を狭くしてしまう状態になりやすくなります。そのため高血圧の改善が必要になり、適度な運動や食事・生活習慣の見直しが必要となるのです。

脳梗塞後遺症、脳卒中の種類

これまでの話で脳卒中には「出血性脳卒中」と「虚血性脳卒中」があることは説明しました。更にこの2つも種類別に分けてみます。

出血性脳卒中

出血性脳卒中は大きく分けて2つに分かれます。脳出血くも膜下出血に分かれます。脳出血では主に、被殻・皮質下・視床・小脳・橋などに分類されています。また穿通枝に起きやすいため、被殻や視床といった場所に頻度が高くなっています。穿通枝動脈とは太い血管から枝分かれしている細い血管のことを言います。発症部位によっては、麻痺の有無や高次脳障害の有無が変わってきます。
くも膜下出血とは脳とくも膜との間にあるくも膜下腔へ出血をきたすことを言います。ほとんどが動脈瘤といった、血管が風船のように膨らんだものが破裂して起こります。発症前には、軽度の頭痛やめまいや悪心・嘔吐を認めることがあります。

虚血性脳卒中

虚血性脳卒中も大きく分けて2つに分かれます。一過性脳虚血発作脳梗塞に分かれます。一過性脳虚血発作では24時間以内に症状が完全に消失します。
脳梗塞とは24時間以降も症状が持続するものを言います。脳梗塞には・アテローム血栓性脳梗塞・心原性脳梗塞・ラクナ梗塞があります。
アテローム血栓性脳梗塞:高血圧や糖尿病、喫煙歴といった危険因子を合併していることが多く、これらは発症リスクを高めるものとなっています。大きい動脈の狭窄は徐々に進行していくため、側副血行路という新たに自然形成される血管の迂回路が作られ血流を補っていくことが多いです。ですが人によって発達の程度が違うため、脳梗塞の症状は軽度のものもあれば、意識障害や高次脳機能障害といった重度の障害をきたす可能性があります。
心原性脳梗塞:名前の通り、心臓が原因で起こる脳梗塞になります。不整脈や心不全といった心疾患により、心臓内に作られた血栓が頸の血管や脳血管に飛び、詰まる疾患のことを言います。主に心房細動が原因による脳塞栓症が多くなっています。またアテローム血栓性と異なり、突発的に血管を塞いでしまうため、側副血行路が作られず、広範囲な脳梗塞となり重症化するケースが多くなっています。
ラクナ梗塞:慢性的な高血圧が原因となり、穿通枝動脈が閉塞して起こる小さな梗塞を言います。深部へ酸素や栄養を送り届ける役割を行っている動脈です。梗塞部位によって症状は違いますが、基本的には意識障害や高次脳機能障害といった障害は伴わないとされています。

まとめ

脳卒中には、出血性脳卒中と虚血性脳卒中がありますが、どちらも「高血圧」が原因の一因として挙げられています。まだ脳卒中になっていない方も、一度脳卒中を発症した方も「高血圧」を改善することで発症・再発症予防につながっていきます。そのためにも食事管理と適度な運動が必要となります。以前、配信させていただいた「脳梗塞リハビリ!機能改善に必要な栄養学」「体力づくりできてますか? 体力向上のための基礎知識をご紹介!」もご参照していただき、食事管理や運動負荷の基準にしていただけたらと思います。
脳卒中の種類や損傷部位によって、後遺症の程度は変わってきます。リハビリスタジオ群馬では、後遺症で多い麻痺に対してのリハビリに力を入れています。麻痺以外の症状や脳卒中以外の方もご利用が可能なため、リハビリにご興味ある方はぜひお問い合わせください。

脳梗塞リハビリ!機能改善に必要な栄養学
体力づくりできてますか? 体力向上のための基礎知識をご紹介!

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吉田 光希

この記事を書いた人

吉田 光希

施設管理者/理学療法士

平成31年に理学療法士国家資格を取得。同年から令和4年3月まで群馬県玉村町にある医療法人樹心会角田病院に勤務し、急性期一般病棟、回復期リハビリテーション病棟を経験しながら、主に脳梗塞・脳出血・脊髄損傷・骨折・呼吸器疾患の患者様のリハビリに携わる。その間に脳卒中患者に対するHALの効果をリハビリ報告として学会で発表。その後も脳卒中後遺症に対するリハビリを中心に学ぶ。令和4年6月からリハビリスタジオ群馬に勤務。

■学会発表歴
令和02年
第28回日本慢性期医療学会 演題名:HALによる歩行訓練により、歩行能力が向上した症例
令和04年
第29回群馬県理学療法士学会 演題名:頚髄損傷患者へ対する歩行神経筋電気刺激療法装置ウォークエイド®を用いた自主練習の効果

■資格
理学療法士免許
登録理学療法士
日本理学療法士協会指定管理者(初級)
Formthotics Authorized Medical Advisor Course

■経験
急性期一般病棟  回復期リハビリテーション病棟