COLUMNコラム

体力づくりできてますか? 体力向上のための基礎知識をご紹介!

その他

今回は、年齢を重ねると実感する「体力低下」、その解決に欠かせない「持久力トレーニング」についてコラムを書きました!

「年齢とともに体力の低下を感じる・・・」
「いまやっているトレーニングは優しすぎない?」

こんなお悩み、疑問がある方にぜひ参考にしてほしい内容になっています!

一般的なリハビリ施設で提供されている持久力トレーニングがお身体に合っているか、
このコラムでチェックしてみてください!
もちろん、“脳梗塞・脳出血”が既往にある方にとっても大事な内容です!

これからご紹介します知識を活用していただき、日々のリハビリや自主練習へ活かしていただければ幸いです。

あなたの体力はどのぐらい?

まずはご自身の体力について知っていただくことが重要です!
そのため、リハビリでは持久力をチェックするテストを実施できます。
“6分間歩行テスト”というもので、その名のとおり6分間でどれぐらい歩けるか?になります。

このテストが有用なところは、多くの方がテストしているため年代ごとの平均値がわかるところです!
平均値は以下のとおり!

【65~69歳】男性:約618m 女性:約575m
【70~74歳】男性:約584m 女性:約551m
【75~79歳】男性:約554m 女性:約515m
※重篤な疾患が無い方のデータを使用

あなたのテスト結果はいかがですか?
平均値を参考にして体力づくりの必要性を考えてみませんか?

いままで罹った病気によっては体力低下が著しい方もいるかもしれません。
特に、心臓、肺の疾患があれば体力は衰えやすいと言われています。

体力低下について

加齢に伴う体力低下は個人によってその程度が大きいです。
また、体力の諸要素との関わりにより、加齢変化の過程も様々となっています。
高齢者では加齢そのものによる退行性変化(細胞や組織に生じる変性や壊死)だけでなく、
運動量減少や活動性の低下の影響による、廃用性変化に関連した体力低下がみられています。

文部科学省の体力・運動能力調査によると・・・
高齢者の運動頻度と新体力テストの合計点との関係を調べた結果、運動頻度が高いほど合計得点が高い傾向にあります。
また、一日の運動実施時間が30分未満と回答した群と比較して、
30分以上と回答した群の方が体力の低下が穏やかであったとの報告があります!

さらに、体力レベルの低い高齢者であっても、
低強度の簡便な運動トレーニングを継続することによって、
下肢筋力の向上やバランス機能の維持が可能です。
しかし、運動を実施しないと回答した群においては一年間でバランス機能や歩行能力が低下することが示されています・・・

まとめると、
加齢により筋骨格系、呼吸・循環器系、神経系の退行性変化が生じ、体力が低下します。
体力低下を防ぐために運動を実施し、継続することで体力を高い水準に保ち、生活機能を維持することができます。

持久力トレーニングの効果

持久力トレーニングの効果は研究結果で示されています。
体力向上のみならず、病気に罹るリスクも減少できます!
もちろん、脳梗塞、脳出血の再発予防にも重要なことです!

【トレーニングの主な効果】
➀循環器、呼吸器の機能改善
➁冠動脈疾患危険因子の減少
➂罹患率、死亡率の低下
➃動作能力の改善
➄不安やうつ状態の改善
➅健康感の向上
➆骨密度の増加
⓼身体活動レベルの向上
⓽睡眠の改善
⓾インスリン感受性の亢進
⑪脂質代謝の改善
⑫グリコーゲン代謝の改善
⑬肥満改善、内臓脂肪の減少

これらの効果を得るためには、適切なトレーニング方法が必要となります。
優しすぎても、厳しすぎても良い効果は得られません・・・

持久力トレーニングの実際

次に、体力向上に必要となる持久力トレーニングについて説明です。
高齢者に対する持久力トレーニングは体力向上の効果があると研究結果で証明されていますが、
各研究で用法・用量はまちまちです・・・

研究データを参照すると、
トレーニング期間は8~52週間、
トレーニング時間は20~60分、
負荷量は最大心拍数の60~85%、
内容は、歩行練習、ジョギング、サイクリング
など条件によって様々でした。

お勧めされている用法・用量としては、
高齢者が歩行トレーニングをするのであれば、
歩行トレーニング中の目標心拍数が100〜120回/分になるように設定します。
これは中等度の運動強度にあたり、心拍数で調節できます。

この目標心拍数の決め方にはルールがあります。
目標心拍数は、「目標心拍数=%強度×(最大心拍数-安静時心拍数)+安静時心拍数」、
最大心拍数は、「最大心拍数=220-年齢」で求めることができます。

例えば、年齢が60歳、安静時心拍数60回の方であれば、
まず、最大心拍数が「160回=220-60歳」と算出できます。
つづいて、運動強度を50%で目標心拍数を求める式に当てはめると、
(最大心拍数160回-安静時心拍数60回)×50%強度+安静時心拍数60回なので、
目標心拍数は110回/分になります。
運動中に110回/分になっていない場合は、運動強度を上げる必要があります。

また、運動時間と頻度についても条件があります。
体力向上のためには、
運動時間を最低30分、
頻度は週5日以上、実施する必要があります!
運動時間が10分以下、週2回程度では、効果が十分得られないという研究結果が出ています。

以上のことから、
トレーニング方法は週単位で設定する必要があり、やや小難しい計算があるため、
療法士とともに相談しながら実施することがお勧めです!

まとめ

今回は、体力低下、持久力トレーニングについてお伝えさせていただきました!
リハビリスタジオ群馬では、施術だけでなく自主練習指導も行っていますので、
個々のお身体の状態に合わせた内容、ご自宅で実施しやすい方法をアドバイスさせていただきます!
 
当施設では脳梗塞後遺症・脊髄損傷の方々が、さらなる機能改善を図るための様々なリハビリを提供しています!
質の高いリハビリとお身体の状態に合わせた自主練習指導を行い、一緒に機能改善を目指しませんか?

ホームページには改善事例や動画もたくさん公開していますのでご覧ください!
改善事例・動画はコチラ!
LINEの友だち登録をしていただくと、お役立ち情報の配信をお知らせします!
LINEの友だち登録はコチラ

今回ご紹介した最大心拍数の算出方法について、
参考となるリンクを載せています。
最大心拍数の求め方

参考文献
市橋則明(編):高齢者の機能障害に対する運動療法,文光堂,2011

宮本 遼一

この記事を書いた人

宮本 遼一

作業療法士

平成22年に作業療法士国家資格を取得。同年から令和4年3月まで群馬県玉村町にある医療法人樹心会角田病院で勤務し、急性期一般病棟、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、障害者一般病棟、外来リハビリ、訪問リハビリ、介護老人保健施設などを経験。平成27年に促通反復療法(川平法)の研修を修了し、その後は主に慢性期(発症から経過の長い)脳梗塞の患者様のリハビリに携わる。令和4年4月からリハビリスタジオ群馬に勤務。